#696 2019年今年の三大ニュース

早いもので今年もあと数日を残すのみとなりました。今年も皆様には一年間お世話になりました。この場をお借りして厚くお礼申し上げます。昨年も感じたことですが、今年の讃岐のうどん業界も、老舗のうどん店の廃業が気になりました。うどん県のうどん競争もますます激化しています。さて例によって今年の業界3大ニュースを独断でチョイスしました(香川県内の10大ニュースは最後にアップ)。それではみなさんどうか良い年をお迎えください。来年もよろしくお願い致します。

【2019年独断の3大ニュース】
【第1位・「さぬきの夢」史上最高の大豊作(#679)】
2019.07.29に開催されたR1年産「さぬきの夢」についての中間報告(香川県麦民間流通地方連絡協議会)では、今年の「さぬきの夢」は生産開始以来、史上最高の大豊作(8,120t)になったお伝えしました。そしてその後、最終的な数字が確定し、結果はなんと8,547tとなりました。よって「さぬきの夢」は6,205t(H29)、5,847t(H30)、8,547t(R1)と3年続きの豊作となり、これは過去にも例がありません。これは作付面積が、1,730ha(H29)、1,824ha(H30)、1,880ha(R1)と順調に伸びたのに加え、収穫時の降雨もなく天候が順調に推移したためです。

【第2位・さぬきうどんの店舗数は578店】
うどん店舗数は、減少の一途を辿り、「さぬきうどん全店制覇@2019」では578店と、ついに600店を割り込みました。僅か10年足らずで、785店(2011-2012)↘578店(2019-2020)と207店も減少したとはにわかに信じられませんが、これは小規模の老舗うどん店が廃業した結果です。そしてこの年末(2019.12.30)には老舗の谷川製麺所が惜しまれつつ閉店します。

もちろんさぬきうどん店全体の、うどん供給能力は昔と比較すると大きく増えていますが、新店は規模が大きなセルフ店であるのに対し、老舗うどん店は小規模であることが、結果としてうどん店舗数が減少している主因です。ただ個性あふれる老舗店が廃業し、似たような大型セルフ店が増えると、さぬきうどんの多様性が失われ、うどんツアー客にとっても魅力は薄れるので、残念な傾向ではあります。今後、ガッツのある若い大将の登場を期待します。

【第3位・さぬきうどん一杯の価格は258.3円(#428#512#620)】
地元紙(四国新聞2019.12.02)によると直近のうどん一杯の平均価格は、258.3円でした(セルフ店平均223.6円、一般店平均339.2円)。またセルフ店の平均が223.6円となったことから、200円以下のうどんを提供する店舗は、僅かとなりました。

過去数年のうどん価格の推移は、「234.4円(2014.04.30) ↗ 235.7円(2016.02.12) ↗ 239.9円(2018.05.04)↗ 258.3円(2019.12.02)」となっています。つまりここ数年は比較的安定していた価格が、今回の消費税アップ(8%↗10%)に伴い、一気に20円程度(8.3%)アップしたことになります。ここ数年は、人件費や原材料がじりじりと上がっていたのをなんとか我慢していたけれど、今回の消費税アップでどうしようもなくなった結果です。また最近の人手不足は、セルフ店を直撃し、やむなく休業や時短営業を強いられるお店もでてきました。

【香川県の10大ニュース】
さて次は2019香川の10大ニュース。ベスト3は大体予想通りでしょうか。
【第1位・瀬戸内国際芸術祭2019】
2010年より3年毎に開催されている瀬戸芸は、毎回来場者が増大し、今年は過去最多となる117万人と、香川県の人口を上回りました。
【第2位・宇高(うたか)航路廃止】
宇高航路は、香川県の高松港と対岸の岡山県宇野港とを結ぶ航路ですが、瀬戸大橋開通後は利用客の減少に歯止めがかからず、ついに109年の歴史に幕を閉じることになりました。
【第3位・高松全線4車線化、#660
2019年3月8日、高松自動車道がついに全線4車線化を達成。これにより「鳴門IC~高松東」間の51.8kmは、暫定2車線時と比べ、混雑時では89分から33分と55分の短縮、また平常時でも10分の短縮が実現されました。香川県からストレスを感じることなく関西圏へと移動できるのは、経済的にはもちろん、観光とりわけうどんツーリズムにとっても、追い風になりました。
【その他】
ベスト10には入りませんでしたが、個人的には「オスプレイの飛来」にびっくりしました。これは沖縄県の基地負担軽減に伴い、オスプレイの離発着訓練を、香川県の国分台自衛隊演習場にて行いました。通常のヘリコプターよりも重低音のプロペラ音は迫力満点でした。