#383 うどん県の観光客数の推移

先週の日曜日(2013.06.16)の地元新聞に、県外観光客の推移の記事が載っておりましたので、ご紹介いたします。以前(#374)でお伝えしたように瀬戸大橋は開通25周年を迎えました。大橋ができるまでは、香川(四国)は陸の孤島でした(といっても島に住んでる人間には、そんな意識はありませんけど・・・)。実際、それまでは香川への観光客は年間500万人足らずであったのが、架橋博の年には一気に1000万人を超え、陸続きとなったその効果をまざまざと実感いたしました。

四国の人々にとっては、瀬戸大橋の恩恵は、単に観光客の増加だけにとどまらず、経済や文化交流など計り知れません。1ルート1兆円を超える建設費を投下し、それを果たして3ルートも建設する必要があったのかは、議論のあるところですが、少なくとも陸続きになったことは四国の発展に繋がり、素直に嬉しいところです。また現在は割高に設定されている瀬戸大橋の通行料金も、一般高速料金並へと検討中であり、もしそれが実現されれば、四国は物理的だけでなく経済的にも、晴れて本州と陸続きになります。しかし良い事ばかりではありません。そうなるとプチ・グローバリゼーションの波が押し寄せ、四国島内の経済地図もかなり変更されることになります。

さて堅い話はさておき、瀬戸大橋開通後、低迷していた観光客数も、関係各位の努力の結果により、除々に盛り返し、昨年(2012年)はなんと開業年に次ぎ2番目に多い893万人となりました。その内訳をみると、自動車が677万人と全体の3/4を占め、ついでJRの128万人、船舶の69万人、そしてヒコーキの20万人と続きます(但し香川県庁HPによると、ヒコーキの総利用者数は132万人もいるので、ヒコーキでの観光客は実際にはもっともっと多いような気がします)。

では実際に香川に観光客に来られた皆さんはどこにいったのか?香川の4大観光地というと、栗林公園(りつりんこうえん)、屋島、琴平、小豆島が定番ですが、昨年これら4ヶ所を訪れた観光客の総数は459万5千人で、これはなんと瀬戸大橋開通後の最低数字だったとのことです。つまり昨年は瀬戸大橋開通後、観光客は2番目に多かったにも拘わらず、4大観光地へは客足は最低だったということは、どう理解すればいいのか?というと、結局のところ、その差額分の多くは「うどんツアー」に流れたと考えるのが妥当ではないかという見解です。つまり「うどん県効果、くっきり」ということです。

1988年の瀬戸大橋開通時が第2次うどんブーム、そして2003年からは第3次うどんブーム(#328)が始まりましたが、この事実も上記の数字と合致します。実は2009年に高速道路ETC特別割引が始まった当初は、目に見えてうどんツアー客の増加が実感できました。しかし2011年にその割引制度が終了したときには、ツアー客の足が一時遠のき、どうなるのか心配しましたが、引き続きツアー客数が堅調であることを知り、素直に嬉しいところです。

ただ個人的には、折角うどんツアーに来られたのであれば、腹ごなしにこういった従来の歴史的観光地にまで足を運んでいただきたい気持ちもあります。「うどん県。それだけじゃない香川県」という標語をもう一度思い出していただきたいところです。そういえば近頃は、JRの駅や空港で見かける人たちが持っている県外へのお土産は、ほとんどがおうどんのような気がします。もちろんおうどんは、嬉しいのですが、昔はまんじゅう、瓦せんべい、和三盆といった伝統的な名物も沢山みかけたように思います。今後うどんツアーに来られたら、こういったお土産もきっと喜ばれると思います。是非一度、うどんとセットでお試しになってはいかがでしょうか。