#984 2025年今年の三大ニュース

早いもので今年もあと数日を残すのみとなりました。今年も皆様には一年間お世話になりました。この場をお借りして厚くお礼申し上げます。

さて香川県内の宿泊客はほぼコロナ禍前に回復しましたが、宴会需要は、6割に留まっているといったニュースもありました(#959)。また結婚披露宴もその形態は以前と同じではありません。コロナ禍前は、何百万円もかかる豪華な披露宴をよく見かけましたが、現在では低予算もしくは会費制といった「カジュアル婚」、さらには挙式や披露宴を開かない「ナシ婚」も定着しつつあります。つまりコロナ禍を境に華美なイベントや「本当はやりたくなかった慣行」が次々と廃止され、このような新形態がニューノーマル(新常態)といて定着しつつあるようです。

さて例によって今年の業界3大ニュースを独断でチョイスしました。それではみなさんどうか良い年をお迎えください。来年もよろしくお願い致します。

2025年独断の業界3大ニュース】

①3代目さぬきの夢「さぬきの夢2023」の収穫始まる(#957)
うどん県オリジナル小麦の新品種「さぬきの夢2023」の収穫が2025年5月27日に始まりました。「さぬきの夢」は、「さぬきの夢2000」⇒「さぬきの夢2009」⇒ そして今回の「さぬきの夢2023」が3代目となります。今回の改良点は、ズバリグルテン強化による作業適性の向上です。グルテンは小麦粉特有のタンパク質で、これは建物にたとえると鉄筋の役割をします。つまりグルテンがうどんの中で立体網目構造を形成することでうどんが切れずにコシをだすことができるのです。しかしグルテン量が少ないと、鉄筋が細くなったり、鉄筋の本数が少なくなったりして強度が弱くなり、結果としてうどんが切れてしまいます。今回開発された「さぬきの夢2023」は、グルテンの中でも特に強度の強いグルテンインデックスという成分が多く含まれ、それだけ作業適性が向上し、うどんが切れにくくなっています。昨年の作付け80haのみでしたが、今年2026年には30%が、そして2027年には全面切替の予定です。どうかご期待ください。

②さぬきうどんの価格@2025年(#949)
地元紙(四国新聞)が実施しているかけうどんの価格調査@2025年2月の結果が発表されました。今回の調査は2022年6月以来、2年半ぶり。前回調査時からの値上げ幅は①セルフ・製麺所(48.7円)、②一般店(36.4円)、③全平均(46.1円)といずれも調査開始以降、最大の値上げ幅となりました。直近2回の値上げ幅が、18.4円、21.3円でしたので、今回はその2倍以上です。原材料価格の値上げもさることながら最低賃金の引き上げにより賃金も上昇したので、今回の値上げを命名すると「原材料価格高騰+賃金上昇によるWパンチ値上げ」となります。

③小麦の食物繊維大幅アップ(#973)
妙なタイトルですが、別に小麦の品種が変わったわけではありません。実は新しい食物繊維の分析法が導入された結果、より正確に分析することが可能となり、小麦に関して2つの重要な新事実が判明しました。ひとつは小麦に含まれる食物繊維が、従来よりも大幅にアップしたこと。そして2つ目に小麦に含まれる食物繊維は、これまで不溶性食物繊維が主体であると考えられてきましたが、実は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のバランスが取れた腸にとって理想的な穀物であることがわかりました。その結果、小麦全粒粉100g中に含まれる食物繊維含有量は、10.5g→14.0gと大幅アップとなりました。

【番外編】うどん県の製粉工場は、4工場から3工場へ減少
日清製粉水島工場が2025年5月26日に稼働開始しました。これに伴い、岡山工場は7月、坂出工場は9月に閉鎖され、結果として香川県の製粉工場は、4工場から3工場へと減少しました。