#885 全国年明けうどん大会2023

「年明けうどん」は、うどんの更なる振興を図る目的で、さぬきうどん振興協議会が、2008年8月6日に商標登録として申請し、2009年のお正月よりスタート。最初は「年越しそば」のうどんバージョンみたいな感じで「上手いこといくんやろか?」と心配しましたが、関係者一同のご努力、そして「誰でも自由に使用できるオープンソース」が支持され、今ではすっかり新年イベントとして定着しました。

そして年明けうどん7回目を迎えた2014暮には、「全国年明けうどん大会 in さぬき」という「年明けうどん前夜祭」的な全国大会がサンメッセ香川で大々的に開催。これは全国のご当地うどんが一堂に会するイベントで、讃岐にいながらにして全国のご当地うどんが堪能できるといううどんフリークにとっては垂涎ものの企画です。そして「年明けうどん大会」 10周年となる今回は、2023年12月2日・3日の両日、4年ぶりに入場制限解除でにぎわいました。ただ当然といえば当然、残念といえば残念ですが、ここでもコストインフレのあおりを受け、一杯400円だったのが500円へと値上がっていました。今回は4種のうどんにチャレンジしたので以下簡単にレポートします。

①四万十ツガニうどん(高知)
「四万十川でとれた天然のツガニ(モクズガニ)を贅沢に使って出汁にした、濃厚な美味しさが自慢のうどん」。キャッチの通り、カニの甘くて濃厚な出汁がよくでていて文句なく最高に美味しい。しかも自家製麺のうどんは、太くて柔らかくふんわりと仕上がり小麦粉の味もよくでているし、きっとこれまでチャレンジしたうどんの中では一番好きです。ちなみにモクズガニ(藻屑蟹)は、日本全域のきれいな清流に生息し、各地方で呼び名が異なります。ツガニは味噌汁が有名で、なるほど味噌汁にしても美味しいはずだと感じました。実際うどんの中にもツガニが一杯入っていてびっくり(言うまでもなくこれが紅い具材です)。ぜひ本場でツガニうどんを食べてみたくなりました。

②塩ホルモンうどん(茨城)
「茨城県産のオヌマポークとたっぷりの野菜・にんにく・塩をベースにしたスープをかけて食べる、やみつきになるうどんです。紅い具材にクコの実をトッピング」。

コラーゲンたっぷりの塩ホルモンとたっぷり野菜の出汁がよくでていて、これまた濃厚な美味しいうとんつゆです。これもツガニ出汁と同じくらいハイレベル。うどんは一見乾麺のような切刃タイプのめんですが、熟成がよく効いているのか、味わい深くスープによく絡みます。ちなみにクコの実とは、杏仁豆腐の上にちょこんとのっている、赤っぽい細長い実です。

③伊勢うどん
太くてモチモチふわふわの麺に、黒いたまり醤油を使用したタレを絡めて食べるうどんに、三重県で有名な松坂牛と、紅い具材にかまぼこをトッピング!一度食べたらやみつきになります。非常に食べやすく優しい食感に加え、小麦の甘みも感じられ美味しい。

④出雲うどん(島根)
ぜんざい発祥の地・出雲のお正月小豆雑煮と色黒のうどんがコラボ。紅い具材に、紅白白玉をトッピング!これはうどんと言うよりも、ぜんざいの餅の代わりにうどんかりんとう(生うどんを油で揚げたもの)が入っている感じ。麺は塩味でぜんざいの甘味にマッチ。もう少しあんこが入っていれば最高(うどんかりんとうの塩味がぜんざいをやや勝っていたような感じ・・・)。ちなみに「ぜんざい発祥の地」のいわれはというと、旧暦10月(神在月)になると島根県出雲大社には、全国から八百万の神様が集まります。そこでは古くから「神在祭(かみありさい)」という神事が開かれ、そこで振る舞われていたのが「神在餅(じんざいもち)」、そしてその名称が少しずつ変化して「ぜんざい」となったそうです。