#846 今どきのSNS事情

わが町坂出市では毎年2月に「天狗まつり」があります。これは地元白峰山の相模坊(通称「さがん坊」)が、「保元物語」や「雨月物語」などの史書文献にしばしば登場し、日本の八天狗の一狗に数えられていることに、ちなんだイベントです。そして今年は4年ぶりにこの天狗祭りが開催されました。そろそろアフターコロナに向け、準備が整いつつあります。さてイラスト担当者の新着情報をお届けします。
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現代社会において私たちが情報を仕入れる手段は色々とありますが、やっぱりお手軽で身近なものといえばSNSです。ご承知のようにSNSはsocial networking serviceの略ですが、これは和製英語で、向こうではソーシャルメディア(social media)が一般的だそうです。私が初めてSNSを意識したのは大学生になる頃で、当時はTwitterとFacebookが主流でした。大学に進学すると高校時代の友人たちは色んな場所に散り散りになりましたが、SNSのおかげで近況をリアルタイムで把握し、精神的な繋がりを共有することができました。

大学時代になると、新しくLINEが登場しました。当時は確か父から「LINEというツールを入れてみた」というような連絡があり、私も試したような気がします。衝撃的だったのはLINE通話が無料だったことです。それまで当然、携帯で通話をすると通話料金が発生していたのに、LINE通話だとネット回線を利用し無料で通話できるという事実が衝撃でした。「ただより高いものはない」と良く言いますが、「これは絶対に何か裏があるはずだ・・・」というイメージをいだきつつ、恐る恐る使い始めた記憶があります 。

すぐに廃れると思っていましたが、今や日本国内では最大利用者数を誇る巨大アプリへと成長しました。アプリの利用者数は、LINE(9,200万人)>YouTube(6,500万人)>Twitter(5,895万人)>Instagram(4,610万人)・・・と続きますSNSの利用状況)。個人的な印象ですが、Twitterは自分から特に発信しない人も、とりあえずはアカウント登録をしておきタイムリーな情報入手アプリとして使用している人が多いような気がします。例えば電車の遅延情報や現在の天気などを検索すれば、テレビやスマホニュースよりもずっと早くて正確な情報が入手できるのでとても助かります。

一方、Facebookは昔に比べ更新頻度が極端に減った印象を受けます。私の周囲では、大きな環境の変化に伴うタイミングで報告がてら更新するような使い方が主流となっているようです。一方、写真や映像に特化したInstagramは高人気を維持していますが、私自身は写真を撮ることがないので、アカウントはあっても、更新頻度は半年に一度程度、つまりほぼ凍結状態です。私がフォローしている友人もまた同じ感じで、どちらかというと好きなアーティストやブランドのアカウントをフォローし情報を仕入れるため情報収集ツールみたいな位置づけになっています。

そんな私は最近、流行に敏感な大学時代の友人Aちゃんから「Bondee(ボンディー)」というアプリを紹介され使ってみました。このアプリは自分のアバターを作ったり自分の部屋を好みに合わせて模様替えしたりすることができます。言葉や写真を更新するというよりは、あらかじめいくつかパターンがあるアバターのアクションを選ぶ(更新する)ことにより自分のステータスを知らせることができます(もちろん言葉を呟くことや写真をアップすることもできますが)。一画面でフォローしている全員のアバターを同時に確認することができるので、仕事をしていたり、お風呂に入っていたり、音楽を聴いていたり・・・と可愛らしいアバターが動いているのを見て何だかほっこりします。

その昔、携帯のない時代は、待ち合わせ場所を間違えると、すごすご帰るしか方法がありませんでしたが、ネットで繋がった現在は、世界中のどこにいようが必ず特定されてしまいます。自身の秘匿性がなくなった現在、いつもある意味緊張感がつきまとい、ぼーっとできる時間がなくなりつつあるようで、少し残念な気もします。何もせずとも、入ってくる情報に対して適当に対応できるアプリはないものか、と思ったりします。