#810 2022GW仙台への旅

最近起こった①コロナ禍②ロシアのウクライナ侵攻③円安により小麦粉業界は大きな影響を受けました。まず①により小麦粉消費が減少。一見、小麦粉のような基礎的食材の消費量は人口に比例する筈ですが、流通経路が絞られ効率化されたことが要因です。また世界の小麦輸出量全体の30%を占めるロシア・ウクライナの状況悪化により小麦価格が高騰し、円安が更に追い打ちをかけた格好です。今後どうなるか予断を許しません。さてイラスト担当者による新着情報をお届けします。

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今年のGWは、行動制限も撤廃されたので、何年ぶりかで旅行をしました。目的地は、2泊3日で仙台となりました。大学時代のサークル仲間であるSくん、そしてなぜかその他共通の友人たちも仙台在住のため、前々から行ってみたいと目星をつけていた場所です。現地合流の緩い一人旅のため、予約をとることもなく昼過ぎに東京駅へ到着。そこで当日券販売窓口へ行くも、なんと新幹線は何本も満席が続き、ラス1の指定席に運良く滑り込めたのは、それから1時間半後の便でした。

これまで東京以北へ行く機会はほとんどなく「はやぶさ」に乗るのはこれが2度目です。仙台までは僅か2時間と思っていた以上に近く感じました。到着時はすでに黄昏で、その日は海鮮焼きの夕食をとり翌日に備えました。2日目は、まずは定番通り仙台市内から車で30分ほどの所にある観光地「松島」へ直行。大小沢山の島がぽこぽこと浮かんでいて、名前の通りそこには一面、松がひょっこり生えていました。調べてみると松島湾内外に浮かぶ島々の数はなんと260余にもなります!そして京都の「天橋立」、広島の「宮島」と併せて日本三景となります。

大勢の人々が遊覧船に乗り込み、海の上から松島観光を楽しんでいましたが、食い気が勝る私は、松島観光も早々に切り上げ、近くの食事処で今度は海鮮丼に挑戦しました。またご当地特産の「ずんだシェイク」も初挑戦!「ずんだ」とは枝豆またはそら豆を潰してペーストにしたものをいい、「ずんだ餅」が有名ですが、こちらはそのシェイク版です。仙台に行ったら必ずチャレンジすると決めていて、勇んで飲んでみると、想像以上に枝豆のインパクト大でした。最初は、「豆っぽさ」や「青っぽさ」が強く感じられ、かなり衝撃的でしたが、すぐに慣れてしまい、やがてまた飲みたくなるクセになる味へと変貌し、連日飲む羽目となりました。

最終日は、これも仙台では外すことのできない牛タンをランチにいただきました。今や誰もが「仙台⇒牛タン」を連想するほどの名物となり、ホテルでは牛タンマップが入った立派なパンフレットが用意されていました。掲載店舗数も多く、さすがに香川のうどん店ほどではありませんが、至る所に牛タン屋さんがあるのは間違いありません。肉は分厚いけれどすぐ噛み切れ、やっぱり本場は違うなあと、一人で悦に入っていました。それにしても今更ながら、「なぜ牛タンは仙台なのか?」という疑問がどうしても湧いてきます。

調査すると、すぐに佐野啓四郎という人物が発明者であることがわかりました。佐野氏は、当初焼き鳥屋をやっていましたが、良いメニューを開発してもすぐに真似されてしまうので、差別化に腐心されていたようです。そして色々研究するうちに、東京での修行中に知り合ったコックから、牛タンほど旨いものはないと教えられ、牛タンにチャレンジし、昭和二十三年、仙台市中心部に牛タン焼きの専門店をオープン。さぬきうどんは、多くのうどん店の大将たちが切磋琢磨しながら、今日のうどん県を築き上げたことを考えると、非常に対照的です。というわけで、杜の都3日間の旅は、あっという間に終わりました。