#752 令和2年度「さぬきの夢」ブランド化推進検討会

「うどん県を標榜するにも拘らず、讃岐うどん専用の小麦がないのはマズいではないか」ということで、香川県農業試験場が、讃岐うどん専用の小麦の開発に着手し、2000年に、初めて「さぬきの夢2000」がデビュー。また2009年には、後継品種の「さぬきの夢2009」にバトンタッチし、これらの品種はすべて「さぬきの夢」という総称でよばれています。さて先日(2021.02.05)、「さぬきの夢」ブランド化推進検討会が、香川県農業試験場で開催されましたので、近況報告をいたします。

①R2年産小麦の生産実績
「さぬきの夢」の作付面積は順調に増え続け、当面の目標としていた2,000haを突破しました。またここ数年は、天候にも恵まれ、生産量も増加の一途を辿り、現在4年連続の豊作となりました。特にR1年産は8,547t、R2年産は8,050tと、直近2年は8,000tを超え、「さぬきの夢」に切り替わってからは、最高の生産高となっています。

②R3年産小麦の状況
R3年産小麦の作付面積は、なんと史上最高の2,186ha。11月中旬から12月中旬までは、降水量が平年より少ない状況が続いたことから、ほ場条件は最適に推移し、播種作業は順調に進みました。播種後は、土壌の過乾燥による出芽の遅れがみられましたが、12月下旬の降雨によって回復し、現在のところ平年並みもしくはやや進んでしる状況です。ほ場の生育画像も併せてご覧ください。

①2020年11月24日②2021年1月30日
③2021年2月22日
④2021年2月27日

③R3年産小麦の更なる品質向上に向けての課題
初代さぬきの夢である「さぬきの夢2000」は、風味豊かな味わい深い小麦でしたが、ひとつだけ問題点がありました。それはうどんの「つなぎ力」である、グルテン量がASWより低いため、製麺適性に劣っていたことです。具体的には、製造時の加水量の許容度が低いために、加水の調整が難しいこと。また生地の熟成時間についても、ASWに対し許容度は低く、よって宵練りではなく朝練りが推奨されていました。そしてこれら許容度の低さは、全てグルテンの粘弾性の弱さに起因するものです。

そしてこの弱点を補うために2009年、「さぬきの夢2009」つまり「さぬきの夢」Ver.2が登場しました。2代目「さぬきの夢」は、初代に比べ製麺適性は確かに向上し、その評価も上々です。しかしASWと比較するとまだ改善の余地があるのも事実です。今後、施肥時期、施肥回数などを検討し、高タンパク化を目指します。

④県内うどん店への「さぬきの夢」利用促進
令和2年12月9日から、県内のうどん店に対し、「さぬきの夢」に対する聞き取り調査を行った結果は、次の通りでした:
・ほぼすべての店舗において「さぬきの夢」は認知されている。ただ「さぬきの夢2000」によるうどん試作経験がある店舗は80%を超えているのに対し、「さぬきの夢2009」については50%に及んでいない(「さぬきの夢2000」に対するイメージが払拭できていないからか?)。
・「さぬきの夢2009」を試したことがある店舗は、その約40%が引き続き利用。
・「さぬきの夢2009」を利用していない主たる理由は、「現状の小麦で満足している」でした。つまり現状について特段不満がないので、敢えて粉を変更する必要性を感じない、とのことです。

⑤「さぬきの夢」Ver.3の開発
「さぬきの夢2009」の後継品種として、うどん県の気候に適した栽培特性及び品質特性を有したうどん用小麦品種を育成中です。とくに特に従来の経緯を参考にしながら、特に「グルテンの性質」に着目した選抜が進められています。香川農業試験場で開発された小麦には、「香育◯◯号」と順番に命名されていますが、現在は香育33号が有望視されています。ちなみに「さぬきの夢2000」は香育7号、そして「さぬきの夢2009」は香育21号でした。よって時期的にはそろそろ「さぬきの夢」Ver.3の登場が期待されます。