#751 煮麺(にゅうめん)の日

馴染みのない方もいるかも知れませんが、「煮麺(にゅうめん)」とは、「そうめんを温かくして食す料理」のことです。先日、全乾麺(全国乾麺協同組合連合会)が、冬場のそうめん普及策として、2月5日を「煮麺の日」として制定しました。暑い夏場は、そうめんは放っておいても売れますが、寒い冬場は、冷たいそうめんは、なかなか売れない。そこで手を替え品を替え、冬場の需要喚起策として、「煮麺の日」を制定した次第です。制定日の理由は、単純に語呂合わせで、「にゅうめん」⇒「に(2)」+「う(中国語の5)」となりました。

ちなみに2月5日は、素麺関係者の間では、卜定祭(ぼくじょうさい)として有名です。これは全国の素麺生産者や販売業者が手延素麺発祥の地である、奈良県三輪に集まり、三輪素麺のその年の卸値を古式にのっとり占う祭典です。神職が、「高値(たかね)」・「中値(なかね)」・「安値(やすね)」と書かれた小さな紙玉に筒状の麻を近づけ、付着したものを神意とし本年の卸値が決められます。2021年の今年は、なんと「安値」とでましたので、これが今年のそうめんの商談に影響を及ぼさなければ、と願っております。

また全乾麺は、既に「そうめんの日」を1982(S57)年7月7日に制定しています。これは次のような理由によります。醍醐天皇の時代に宮中の儀式・作法等を集大成した「延喜式(927年)」の中に、そうめんの原型といわれる「索餅」(さくへい)が登場します。そして旧暦7月7日の七タの儀式に供え物の一つとして供えられたとの記述があることから、7月7日をそうめんの日に制定したわけです。

ところで我々の「さぬきうどん」は、香川県生麺事業協同組合(現在のさぬきうどん協同組合)が、1980年に7月2日を「うどんの日」として制定しました。通常7月2日は、「半夏(はんげ)の日」といい、夏至から数えて11日目になります。忙しかった麦刈りや田植えを終え、やっと一息ついて、骨休めができるときです。そして香川では「半夏のうどん」といって、半夏にうどんを食する習慣があることから、この日を「うどんの日」として制定したわけです。

「うどんの日」、「そうめんの日」と続けば、他にも様々な小麦粉関連の記念日があるので、ネット検索したらゴロゴロでてきたので、表にまとめてみました(表示は制定年順)。捜せば他にももっと沢山あるに違いありません。ただ個人や法人単独で制定した記念日は、除いてあります。我田引水ではありませんが、「うどんの日」は、40年以上も昔の1980年に制定されているので、記念日の中では一番古く、我々業界関係者もまんざらでもありません。ちなみに、この「うどんの日」は、「地球どこでも不思議旅(椎名誠著、1982年刊)」にも登場するので、1980年制定のひとつの証左になります。

うどん関連の記念日をみると、他に焼きうどんの日(10月14日)、きしめんの日(10月26日)、カレーうどんの日(8月2日)、ほうとうの日(4月10日)があるので、この際ついでに「かけうどんの日」、「ざるうどんの日」、「きつねうどんの日」、「肉うどんの日」、「打ち込みうどんの日」・・・なども制定したらどうかとも思いますが、いかがでしょうか?