#645 全国年明けうどん大会2018 inさぬき

「年明けうどん」は、うどんの更なる振興を図る目的で、さぬきうどん振興協議会が、2008年8月6日に商標登録を申請し、2009年のお正月より実施されています。早いもので、今回で9回目。当初は、その響きに違和感を覚えたものの、今ではすっかり定着しました。さて今年もサンメッセ香川にて12月1・2日の2日間、全国年明けうどん大会が開催されました(昨年の様子は#597)。会場には今年も、北は北海道から南は台湾まで24種に及ぶ名物うどんが一堂に会し、二日間の入場者数は43,000人との発表でした。

さて今年は新趣向として、香川県は初めて募集した「初笑い!うどん川柳コンテスト」の発表がありました。最優秀は今治良広さんの「さぬき路は うどんの店が 道しるべ」。直球ど真ん中、説明不要のこの川柳は、さぬきのうどん事情をズバリ表現しています。ただ逆説的にはなりますが、カーナビがない時代、いくら捜しても見つからなかったS級店がいくつもありました。なぜそんなお店を求めてやってきたのか。それは瀬戸大橋を渡りうどんツアーにくる人たちは、うどんの美味しさもさることながら、うどん店の中に非日常性を見出したからです。この二つの相乗効果が、現在のさぬきうどんブームに結びついたと考えます。

目抜き通りに大きな看板を構えたうどん店ばかりだと、いくらコシが強く、食味に優れていてもここまでのブームにはならなかったかもしれません。立ったまま片手で丼を持ち、麦畑を眺めながらの一杯。山奥の橋の袂にあるうどん店。製麺所の片隅でパイプイスに座っての一杯。こういった非日常を体験することで、コシのある美味しいうどんが、強烈な記憶と共に忘れられない一杯となります。しかし残念なことに非日常を体験できるうどん店は、徐々に減少しつつあります。

現在、うどん県では、老舗の独立店の廃業が目立つ一方、うどん店FC化が進んでいます。FC店は洗練されたおうどんを提供し、普段のうどん県民の日常食として大いに貢献しています。ただうどんツアー客は、FC店を渡り歩くことは、余りないと思います。理由は非日常を体験するワクワクドキドキ感がないからです。しかし一方で独創的な気概のある大将もどんどん登場しています。これからはFC店と独立店とが切磋琢磨しながら、さぬきうどん新時代を切り拓いていくはずです。

話は戻り、現在うどん県副知事は俳優の要 潤さんが務め、例年この年明けうどん大会の顔となっています。先日ローカルニュースでのインタビューで次のように答えていました。「僕は小さい頃は、毎日うどん、それに間食にもうどんを食べていました。でも今はなかなか機会がないので、時々は自分で作って食べています・・・。香川県は日本一狭い県ですが、その分うどん店、海、山、美術館などを短時間で回ることができるので、皆さんもうどん県にやってきて、私の故郷を知ってほしいです」っと。さすが、うどん県副知事。副知事らしく要点を簡潔にテキパキとお答えされている姿に感服いたしました。

最後になりましたが、今回は営業のI君と二人で次の5種の年明けうどんにチャレンジしました。簡単にご報告しておきます:
①村山かてうどん
「かて(糧)」はうどんに添える季節の地場野菜のことです。バランスのとれた出汁と赤いミニトマトが新鮮でした。

②台湾牛モツ煮込みうどん
もつ鍋の締めのうどんを連想します。麺は細めの丸い麺。 しっかりとしたモツと野菜たっぷりのヘルシーうどん。

③茨城塩ホルモンうどん
地元ポークのホルモンがたっぷり入ったスタミナうどん。ラーメンでもいけそうなスープです。

④博多うどん
白湯ラーメンのうどんバージョン。麺は細め、 出汁は濃厚ですが、後味スッキリ。

⑤稲庭うどん
言わずとしれた稲庭うどん。スッキリとした細めの手延麺はいくらでも入ります。徳島の半田そうめんは、骨太さを持つ太そうめんですが、ひょっとしたら半田そうめんの方が稲庭うどんよりも太いかも。