#506 我が家の年越し事情

f506イラスト担当者による新着情報をお届けします。おせち料理といえば、小さい頃は母親が七輪で焼いてくれたブリの照り焼き、黒豆、数の子、そして香川の定番である餡餅雑煮などをよく憶えています。そして父親といえば、とにかく冬になると頻繁にそばを打っていました。但しここで言う香川のそばとは、一般的な蕎麦とは異なる、いわゆる田舎そばです。小麦粉:そば粉=2:1~1:1の割合で配合し、うどんと同じ要領で打つ麺で、正確に言えば小麦粉の方が多いので、「そばうどん」と呼ぶべき代物かも知れません。

沢山打つので一度に何十玉とでき、それを「もろぶた」という餅を並べるための木製容器に並べ、乾燥しないように濡れ布巾をかぶせ、冷所で保存します。なぜかこのそばは妙に美味しく、一晩に何玉も食べました(尤も他に食べるものが無かったせいもありますが)。また妙なことにこのそばは、打ち上げ直後も旨いのですが、一晩放置した翌日の方がなぜかプリプリして更に美味しく感じました。これは明らかに一般の蕎麦の感覚とは異なります。

蕎麦の専門店によっては、店主がのれん越しに客が着座しているのを確認してから茹で始めると言われる程、蕎麦はゆで直後のタイミングを重視します。しかしこの田舎そばは時間が経過する程旨いのです。この奇妙な事実をどう解釈すればよいのか迷っていましたが、あるとき郷土の美食家であった山田竹系先生の随筆(#128)に同様の記述を見つけ得心しました。

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新しい一年が始まりましたが、皆さま方におかれましては、年末年始どのように過ごされましたでしょうか。私は多くの方と同様、年末年始は帰省し地元で年越しをしました。年末年始といえば、「年越し蕎麦」、そして香川県では「年明けうどん」が徐々に認知され始めてきました。我が家も事情は同様ですが、お伝えしたいことはその頻度です。

昔は父や知り合いの方が打った蕎麦が多かったのですが、最近は打つのが面倒なのか、専ら近所の製麺所の蕎麦が定番になりました。今年は30日に20玉を購入。一度に父が2玉、私と母が1玉ずつなので、これはざっと5回分という勘定です。そう、我が家の年末年始は「年越し」という本来の目的からはかけ離れ、単なる「蕎麦を食べよう週間」と化しています。大晦日だけではなく、30日から1月3日まで毎晩蕎麦を食べ続けます。今回私は29日に帰省をしたので、翌日からの夕食は全て蕎麦で埋まるわけです。

f506_3では、帰省当日の29日の夕食は何だったかといえば、うどんです。その日は偶然にも火曜日で、我が家では毎週火曜の夜、父がテニスへ行くためその前に家族揃って夕食はうどん、という暗黙のルール(もうこれは私が物心ついた時から)があるからです。尤も趣味のテニスではありますが、最近は傍目にもそれほどウキウキしている風にも見えず、専ら体力低下防止のための義務感、もしくは「今止めたらもうできないのではないか」という恐怖心に駆られて続いているようにも見えます。

それはさておき、こんなにも蕎麦やうどんを食べているにも拘らず、昼食も家族が揃う時は、ほぼ例外なくうどん、そして今回も判で押したように昼食はおうどんでした。元旦は行きつけのうどん店がお休みでしたので、元旦から営業しているセルフのうどん店を見つけました。自分でも、明らかにうどん県民の平均をはるかに超えるうどん・そばの消費量だと自負しています。私の友人仲間の間でも、「30日にすでに年越し蕎麦を食べた」や「帰省中は蕎麦かうどんしか食べていない」という事実は既に常識になっているらしく、私もうどん県出身者として、少し鼻が高いのです。

そんなこんなで、新年早々無事に蕎麦とうどんを平らげ景気づけしたところで、本年もイラスト担当(月1度この担当も含め)を務めていきたいと思います。宜しくお願い致します。