#320 小麦粉のタイプ④・・・強力粉・中力粉・薄力粉

グルテンが多いのが強力粉、中くらいが中力粉、少ないのが薄力粉です。ご承知のようにグルテンは粘弾性をもった小麦粉特有のたんぱく質です。よって同じ量の小麦粉でも、加水して捏ねるときには、グルテンの多い強力粉ほど粘りが強くなり、よってより大きな力が必要となります。

このように強力粉というのは、名前の通り強い力を持った小麦粉であるので、読み方が紛らわしいにせよ、その名前には納得がいきます。でもそれでは、なぜ薄力粉は弱力粉と呼ばないのかという疑問が湧きます。一説には中国から入ってきたということですが、詳細はよくわかりません。

実際のエキステンソグラフ

実際のエキステンソグラフ

ところでこの小麦粉の力(りき)を客観的にまた視覚的に計測することができれば便利だということで、かなり昔の話になりますが、ドイツのブラベンダー社がエキステンソグラフという機械を開発しました。水で捏ねた生地を両手で引っ張って、引き千切るとき、薄力粉よりも強力粉の方がより強い力が必要ですが、これをより正確に実行し、計測するのがエキステンソグラフです。具体的には小麦粉生地にフックを引っ掛け、それを一定の速度で、生地が千切れるまで引っ張り続け、その間の力を連続的に計測します。

補足すると、生地を引っ張るときに、生地には引っ張られまいとする力、つまり「抗張力」が働きます。そして強力粉の生地は、薄力粉の生地よりも、当然この抗張力が大きくなります。また同じ生地でも、引っ張り始めよりも、千切れる直前の抗張力の方が小さくなります。一方、千切れるまでに生地がどれだけ伸びたかその長さのことを「伸長度」といいます。言い換えると、抗張力はコシの強さ、そして伸長度は足の長さもしくは粘り強さということができます。そしてこの2つの力を正確に計測する機械がエキステンソグラフです。また抗張力を縦に、そして伸長度を横にしたグラフのことをエキステンソグラムといいます。

一般にエキステンソグラムは山型になり、この山型の面積が生地がちぎれるまでに要したエネルギーということになります。強力粉の場合は引っ張るのに大きな力が必要なので、グラフの山が高くなるのでそれだけエネルギーが大きくなります。また薄力粉は山が低く、そしてはやくちぎれるので裾野も短くなります。そして中力粉はその中間になります。このようにエキステンソグラフを使用すると小麦粉生地のコシや「足」を客観的に比較することができて便利です。