#042 小麦粉消費量

2005 年、日本ではおよそ 600 万トンの小麦が製粉されました。人口の伸びが止まったのに伴い、最近の消費量はずっと横ばいです。製粉されるのは 600 万トンですが、これが全て人々の口に入るわけではありません。 小麦の中で、表皮部分は家畜の餌、つまり飼料となり、また小麦粉ではあるけれど、表皮部分に近いグレードの低い小麦粉は食用には利用されません。よって食用になる小麦粉は、約2 / 3の 400 万トンになります。本当は、全粒粉(ぜんりゅうふん)といって皮の部分まで全部挽きこんだ小麦粉の方が、現代の食生活に適していますが、食味、食感などの理由で、胚乳の中心部分だけをとりだした小麦粉が主流となっています。400 万tの食用のうち、パンには 123 万トンが、そして私たちに関係の深い麺類には 137 万トンが消費されました。麺類の内訳は、生麺が 63 万トン、乾麺が 22 万トン、即席麺が 36 万トン、パスタが 16 万トンとなっています。生麺とは、スーパーで売ってる、ゆで麺や冷凍麺のことで、乾麺は干しうどん、そうめん、冷麦、また手延素麺などです。即席麺は、インスタントラーメンやカップ麺で、パスタはスパゲッティが中心です。そこでみなさんの粉食生活がこの 20 年間でどのように変化したのか、比べてみました。

20年前との小麦粉消費量の比較
  1985年 2005年 増減
総人口
1億2,100万人
1億2,780万人
+5.6%
パン
118万トン
123万トン
+4.2%
麺類
140万トン
137万トン
-2.1%
(生麺)
66万トン
63万トン
-4.5%
(乾麺)
30万トン
22万トン
-26.7%
(即席麺)
32万トン
36万トン
+12.5%
(マカロニ類)
13万トン
16万トン
+23.1%

注意:( )内は麺類の内数になります、つまり( )の合計が麺類の数量になります。

これからわかること:
(1)パンでさえ、減っている
この 20 年間、パンの消費は伸びたと思っていたのに、一人当たりに換算すると逆に減少している。麺類に至っては更に減少幅が大きい。理由は、社会が裕福になると、主食の比率が下がることが挙げられます。実際、米は一人当たりの消費量で 74.6kg → 61.5kg と 18% も減少しています。簡単にいうと、リッチになると、お菓子とかおかずを多く食べるようになり、それだけ主食が減ります。

(2)意外なことに麺類はかなり減っている
冷凍麺は、生麺に含まれます。冷凍麺は増え続けているのに、生麺全体が減少しているということは、冷凍麺が増えた以上にゆで麺が減ったということです。でもその冷凍麺でさえ、昨年初めて、前年実績を割り込みました。

(3)悲しいことに乾麺はとっても減っている
乾麺は日本の伝統的な食品ですが、特に落ち込みが激しく、悲しい。乾麺には乾麺独自のおいしさがあるけれど、調理が面倒、時間がかかるといった理由で敬遠されている。でも、乾麺は原材料が小麦粉、塩だけの自然食品であり、とっても健康的です。今時、原材料表示がこんなにシンプルなもの、他にある?

(4)即席麺は健闘している
即席麺は 20 年前、既に高水準で普及していたので、思いの外増加率は小さい(でも二桁、伸びている)。

(5)パスタはとてもがんばっている
マカロニ類は、食の洋風化を反映して伸びている。しかも上記の数字は、国内生産だけで、輸入は含まれていないので、実際の伸びはもっと大きい。元々絶対数が少なかったことを差し引いても、おそるべし、パスタ。

全体的な流れとしては、食の洋風化、多様化により、需要は分散化の傾向化にあるといえます。しかも人口減少の時代に入ったし、今後単一商品でのグランドスラムというのは、考えにくい状況です。そういう意味では、何十年にもわたり、しかも袋のデザインさえ変わっていない商品がある乾麺なんていうのは、まだまだ健闘しているのかも。