#979 香川県民のうどん消費実態調査2025
今回は、百十四経済研究所が実施した「香川県民のうどん消費の実態調査2025」の結果を、簡単にご説明します。アンケート調査は、2025年8月28日~9月2日の期間、香川県内在住の20~69歳の男女を対象に、インターネットによる調査を実施し有効回答数476人を得ました。以下は、アンケート結果について気になった点を独断でまとめてみました。なおアンケートの詳細については「県民のうどん消費」の実態調査について「うどん調査2025」をご覧ください。
【①うどん店での平均支出額】
うどんを外食する際に支払う金額は、563.45円となり546.75円(2024年)、503.96円(2023年)から右肩上がりで上長中。もはやワンコインで済ませようとすると、うどん県でも「かけ大」くらいかもしれません。

【②うどん店への平均回数】
平均回数では、多い順に「月に2、3回」(23.5%)>「週1回」(22.5%)>「月に1回」(17.4%)>「週に2、3回」(13.2%)>「週に4回」(3.4%)>「ほぼ毎日」(1.5%)と続きます。「週一回」以上を合計すると、22.5%+13.2%+3.4%+1.5%=40.6%となり、調査元ではこれを岩盤支持層とよんでいます。

【③年間消費額】
①、②から推計すると、一人辺りの年間支出額は27,418円となり前年度(2024年)の27,564円よりも146円の減少となりました。つまり1回当たりの平均支出額が16.7円増加したものの、平均回数が0.09回減少したため、結果として減少しました。

【④かけうどんの許容上限価格】
かけうどんは最も標準的なメニューで、うどん価格全般の指標となります。2025年の許容上限価格は345円となり前年の332円から13円上昇。個人的な感覚では、セルフ店では、260~280円程度が妥当で、300円を超えると少し高いと感じます。また一般店では400円が上限かと。ちなみにお気に入りのうどん店のかけうどん価格は、セルフ店が260円、一般店が380円。

【全国うどんチェーン店のうどん県での現状】
誰もが知ってるうどんチェーン店も、うどん県ではあまり普及していません。その理由は大きく3つ、①価格②競合店の多さ③うどんの多様化にあると思います。以下簡単にまとめてみました。
①調査結果からもわかるように、うどん県のうどん価格も上昇中ではありますが、1回当たりの平均支出額は563円です。これは首都圏の感覚からするとかなり安く感じると思います。かけうどん価格は、セルフでは300円未満、一般店では400円未満、これがうどん県での平均的な感覚です。チェーン店の店内は広々としてきれい、かつうどんの品質も良いのですが、やはり価格がネックです。
またチェーン店となると、店舗規模が大きくなるため、うどん県内での出店場所は、人口集中地域もしくは交通量の多いところに限られます。つまり固定費がかさむために、多くの集客が見込める場所への出店が必須。しかしそういった地域は、既に地元うどん店同士の激戦地となっているので、出店は容易ではありません。
②また競合店の多さも参入のハードルを高くしています。香川県の推計人口は909,977人(@2025年6月1日)に対し、うどん店は523店舗(「さぬきうどん全店制覇攻略本2025-2026版」)。単純に割り算をすると人口1,740人当たりに1店舗となります。よってどこにいてもうどん店はすぐに見つかります。よってチェーン店が目立ちません。
③523店舗あれば、多種多様なうどんがあります。出汁も麺もお店によって異なります。よって大抵の人は、複数の行きつけうどん店があります。そういううどん店を順番に回っていれば、それ以上はなかなか行こうという気になりません。まして車で30分もかかるとなると、ますますハードルは高くなります。こう考えると、香川という土地は、全国チェーン店にとっては“最難関のうどん市場”となってしまい、出店が厳しいのかもしれません。
