#755 小麦ふすま100%ゴーフル&クッキー

小麦ふすまとは「小麦の皮の部分」のことです。その主たる構成要素は食物繊維ですが、人間の胃では消化されないため、従来はもっぱら牛や豚などの家畜のエサとして利用されてきました。ただ、食物のカスだと思われてきた食物繊維ですが、近年、実は私たちの腸内細菌にとって有用な存在であることがわかってきました。私たちの腸内には、1000種類以上の腸内細菌が住んでいます。その数100兆個以上、重さは1.5kgにもなり、いつも健康に関わる様々な物質をつくっています。そしてその腸内細菌の食事となるのが食物繊維です。その効用のおかげで、今では食物繊維は、糖質、脂質、タンパク質、ミネラル、ビタミンの「5大栄養素」に次ぐ「第6の栄養素」と呼ばれるようになりました。

一方で、残念ながら私達の食物繊維の摂取量は、減少の一途を辿っています。厚生労働省は1日20g以上の食物繊維の摂取を推奨していますが、実際は15g程度しか摂取できていません。以前はたっぷりと摂取できていた食物繊維が、減少した理由は、食品の加工技術の向上です。食品の精製度が高くなり、その結果、食物繊維が削ぎ落とされてしまいました。小麦粉を例に挙げれば、製粉技術が発達した現在の小麦粉には、表皮部分はほとんど含まれず、パンもうどんも色調に優れた口当たりの良い食品になりました。

そこで不足しがちな食物繊維を摂取しやすいように、弊社ではブラウワー全粒粉、また「夢ブラン」や「飲むブラン」などを商品化しています。特にふすま単体は、ヨーグルトに混ぜたり、またそのまま溶いたりして、お手軽に利用できます。しかしもっと簡単にできないものかと思案し、無謀にも小麦ふすま100%にこだわったゴーフルクッキーを試作してみました。あくまでも小麦粉は使用せず、小麦ふすま100%にこだわり、各原材料は下記のようになりました。また気づいた点を、簡単に箇条書きに抜き出してみました。

【調理時に気づいた点】
1.試作には、ビタントニオのワッフル&ホットサンドベーカーを使用(これが業界標準機種みたいです)。プレートが全14種類用意されており、ゴーフルにはピッツエルプレート、クッキーには、ワッフルプレートを使用。
2.小麦粉と小麦ふすまとは、吸水性が全く異なるので、何度か試作を行い、水分量を決定。
3.小麦ふすまには、グルテンが含まれないので、生地での「つなぎ力」はありません。しかし型に流し込んで加熱する方式なので、うまく焼き上がりました。
4.粗挽きふすまも、挑戦しましたが、こちらは生地の状態でまとまらないので、全く形になりませんでした。
5.微粉砕ふすまは、キメが細かいため、うまく生地がまとまり、100%でも想像以上にうまくできました。

【ふすま100%ゴーフルの感想】
1.小麦粉使用時の焼き時間は4分ですが、ふすま100%だと3分で十分。
2.ふすま100%でも食味は全く問題ありません。
3.ゴーフル2枚で、小麦ふすま10gに相当。よってこのゴーフルを携行し、毎日2枚食べれば十分な食物繊維が摂取できます。
4.画像はふすま100%ゴーフル(左)と全粒粉100%ゴーフル(右)です。後者が、当然明るい焼き色になります。全粒粉100%だと普通のゴーフルに近い食味食感になります。

【ふすま100%クッキーの感想】
1.クッキーは生地が厚くなるので、焼き時間は5分です。
2.こちらも雑味はなく、全く違和感はありません。ただ食感はクッキーというよりも、動物カステラや野菜カステラのような軟らかい食感になります。
3.ふすまクッキー3個で、小麦ふすま10gに相当
4.ふすまゴーフルもふすまクッキーも小麦ふすまを簡単に摂取できる方法であることを実感しました。食味も個人的には全く問題ありません。みなさんも是非一度お試しください。