#631 高知弾丸ツアー

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今年は猛暑に加え、次から次と台風が発生しています。干ばつの多い香川県としては、恵みの雨はほしいものの、災害には遭いたくないと、ハラハラ・ドキドキしながら天気予報を見ています。さてイラスト担当者による新着情報をお届けします。
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有難いことに今年もお盆休みを1週間ほどいただき、地元でのんびりと過ごすことができました。しかしこれだけ毎日だらだら過ごしていると、休み明けに無事社会復帰できるかどうか、自信がありません。それはともかく、今回の帰省中に、高知弾丸ツアーにいってきたので、そのご報告をいたします。

その日は私と中学校時代の同級生二人が一旦我が家に集合し、特に行くあてもなく15時に車で家を出ました。高松市内は高松祭り真っ只中ということもあって、雑踏を避けるため西へと向かいました。すると車内でふと一人が「高知でカツオのタタキが食べたいなあ」と呟くと、もう一人も素晴らしい食いつきを見せたので、私も賛同せざるを得ず、その時点で高知弾丸ツアーが決定しました。しかしいくら隣県とはいえ、15:00出発とは、余りに無計画なツアーです。

高知といえば、小学生のときに、両親、祖父母と足摺岬へ行った記憶が最後です。とにかく車での移動が長く、ただただ遠いという印象しか残っていません。四国には当然4県ありますが、香川県の面積は四国の10%未満とダントツに小さいのに対し、高知県は40%程度と違いは歴然です。実際、自宅から高知市までの距離よりも、高知市から四国最南端の足摺岬までの距離の方が更に遠いのです。ただ現在は道路事情が改善されているので、高知市内まで1時間半ほどで到着しました。

そしていざ高知に到着すると、なんとなく雰囲気がザワザワしています。高知駅前ではなぜか交通規制が敷かれ、やたら人が多い。祭りの衣装に身を包んだ人たちも多く、これはもしやとネットで調べると、なんと高知名物「よさこい祭り」の最終日でした。高松祭りを避け、高知くんだりまできたはずが・・・と思わず顔を見合わせましたが、せっかく来たのだから、見ずには帰れません。高知城付近は、熱気に包まれ、お祭り気分は最高潮です。よさこい踊りは、今では全国区の知名度となりましたが、実際に本場で見るとその臨場感に圧倒され、迫力満点です。曲に合わせ「よさこい鳴子」をパチンパチンと切れ良く鳴らす様はとても格好良く、また選曲とそれに合わせた個性溢れる衣装も踊りをさらに際立たせます。

f631_2しかし高知にきた真の目的はカツオのタタキです。よさこい踊りを横目にさらに進むと、お目当てのカツオのタタキが食べられる「ひろめ市場」に着きました。ひろめ市場は観光名所の一つで、1998年にオープン。グルメを中心とした様々な商店が一同に集まった集合型の屋台村です。中は人で溢れかえり、私たちも二手に分かれて買ったカツオのタタキ、クジラのタタキ、ウツボの唐揚げなどを持ち寄り、普段あまり目にすることがない海の幸を堪能しました。

気がつくと時刻は既に19時を過ぎていましたが、私たちはさらに車を南に走らせ坂本龍馬像の待つ桂浜へ。到着すると辺りは既に真っ暗でしたが、龍馬像はライトアップされているので、存分に御尊顔を拝することができました。浜辺では暗闇の中、波がゴオゴオと押し寄せ、瀬戸内育ちの私には、真っ暗な太平洋はなかなか恐ろしいものがありました。

帰りはあろうことか、よさこい祭り帰りの人たちの帰宅ラッシュと見事に重なり、更に高速道路では事故車による渋滞に捕まり、一時はどうなることかと思いましたが、なんとか日付が変わる前に無事家へ帰ることができました。私はただ座っているだけでしたが、思いがけない展開となり長時間運転をしてもらったY君には本当に申し訳なく思います。いずれにせよ、また忘れられないお盆の一日となりました。最初は、「カツオのタタキなんて、どこかその辺のお店で食べろよ!」と心の中で呟いた私に、喝を入れたいところです。

高知駅前広場に立つ、幕末の志士、武市半平太、坂本龍馬、中岡慎太郎の銅像
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