#570 廻らないお寿司屋さん

f570イラスト担当者による新着情報をお届けします。お友達と食べ放題のお寿司屋さんにいったそうです。

さぬきには現在700店ほどのうどん店がありますが、「食べ放題のうどん屋さん」というのは聞いたことがありません。ただ「◯◯杯完食で無料」というお店はあります。でも時間に追われ、無理やり完食しても、うどんそのものが楽しめないなら、ちょっと残念です。やはり噛んだ後、一呼吸遅れて口内に拡がる淡い小麦粉の風味を味わいながらのおうどんが最高です。

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少し前の話になりますが、友人と4人でお寿司の食べ放題に行きました。回らないお寿司でありながらお値段も良心的で、都内では人気のある予約困難店です。私は食べることは大好きですが、有名店や流行りのグルメには興味がありません。よって今回のような繁盛店巡りでは必ずグルメ通の友人に頼りっぱなしで、当たり前のように予約の手配をしてもらっています、反省。

当日は、現地集合となりました。必ず予約時間に間に合うようにと、念を押していたにも拘らず、直前になり、なんとグルメ通の友人が寝坊し、40分ほど遅れるという緊急事態となりました。システムは食べ放題2時間制。店頭には予約なしの当日のお客さんで混雑していていたため、時間をずらしてもらうことはかなり難しい状況のようでした。よって友人には気の毒ではありますが、3人で先に入店し、スタートしようという結論に至りました。

受付で名前を告げ、1名が遅刻する旨を申し出ると、そこで大きなため息を「はぁ~」とつかれ、続けて「困るんですよね、そういうの。全員揃ってからでないと」とまあ何とも冷たい返答がありました。そこで「じゃあ予約時間通り、今から4人スタートということでお願いします」と言うと、「いいんですか〜?わかりました、では案内します」とこれまたちょっぴり気になる慇懃無礼なお返事でした。

せっかく回らない寿司を楽しみに来たのに、私たちは、心中もやもやしたまま入店しました。店内は既に満席で、すぐに注文したにも拘らず、これが20分経っても来ないのです。カウンター内には職人さんが4人もいるのに、握っているのは2人。「一体何をやっているんだ!食べ放題の開始が遅いじゃないか!」と私たちはビール片手にそわそわでした。結局30分過ぎてようやく最初の寿司が運ばれ、遅刻した友人は予定通り40分に到着。受付でのモヤモヤと寿司がなかなか来ないことへのイライラを私たちは、友人に事細かく説明し、少しすっきりしました。しかし第2弾の寿司が運ばれてきたのが、なんとそのまた30分後。

f570_2「これでは時間が足りんじゃないか!」と思った私たちは、作戦を変更し、私たちで対応できるであろう可能な限りの量を一気に注文しました。すると、店側もようやく本気を出したのか(?)、それともそれがお店の作戦なのか、ほぼ10分間隔でポンポンと寿司が出てくるではありませんか。さっきまで暇そうにしていた職人さんもなんだか機敏に動いている気がします。しかも驚くべきことにネタやシャリが明らかに大きくなっているのです。残すと追加料金が発生するため、正直「これはやられたな!」と思いました。

終了時間が迫ってくるなか、自分たちがあれだけ勢い良く注文した寿司が、まだ八貫ほど見事に動きません。しかし「何が何でも!」っと、最後は意地と根性で食べ切りました。ただ途中からは食事を楽しむどころか、味も何もわかりません。結局のところ、「なんで、こんなところまできて、お寿司を食べているんだろう?」と自問せずにはいられませんでした。今回、得た教訓です:食事は、美味しい食材を適量、雰囲気を楽しみながらゆっくりと食するに限ります。