#494 大地の芸術祭@越後妻有(えちごつまり)

f494イラスト担当者による新着情報をお届けします。香川県は2010年から「瀬戸内国際芸術祭」が始まりましたが、新潟県では既に2000年から「大地の芸術祭」がスタートしています。
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夏休みも明けて1か月が経ち、ようやく学校生活のリズムも取り戻してきました。周りと話していると最近は、一人行動をとる人が目立つようになった気がします。考えてみると中学・高校時代は仲の良い友達とべったりでした。しかし大学生になると自由時間が増えるので、周りに拘束されずに一人で自由に動き回ることが多くなるのかも知れません。そして今回(といっても正確には予定の合う人がいなかっただけの話ですが)、夏休みの最後に一人旅行をしてきました。

新潟県十日町地域で開催されていた「大地の芸術祭」が目的で、これは「瀬戸内国際芸術祭(以下瀬戸芸)」と同じく3年に一度、同じ北川フラムさん監修のアートプロジェクトです。私は香川出身なので、当然「瀬戸芸」を先に知っていたわけですが、実は「大地の芸術祭」が始まったのは2000年、「瀬戸芸」は2010年なので、こちらが大先輩ということになります。ただどちらの芸術祭も目的は共通で、地方の過疎化が進む中での、地域活性化を目指したアートプロジェクトです。

夕方にのんびり東京を出たため1日目はほぼ移動で終わりました。「越後湯沢」に到着すると、そこの空気は、ひんやりとそして澄みきっていました。2日目は朝から意気揚々と、芸術祭のメインエリアである「十日町」へ。そこではまず「越後妻有里山現代美術館」を見学。カルロス・ガライコア作「浮遊」は、透明の大きなボックスの中に建物や模様をかたどった小さな銀紙のようなものが風に当たり一面を舞っていて、とても綺麗でした。

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f494_3その後、いくつかコースが設定されている周回バスの一つに乗り約3時間かけて10作品を観て廻りました。過疎化の影響で市内には廃校が多く、そのスペースを作品展示に活用しているケースもありました。「もぐらの館」もその一つで、中にはその土地の自然を撮った写真や木のオブジェクト、また学校であった時代からそのまま取り残されているであろう、埃を被ったピアノもあり、すこし心が痛む光景でした。バスの運転手さんはとても気さくな方で、東京から来た私にこの地域の歴史や土地について丁寧に説明してくださりました。

3日目には少し先の「松代」に行き、「雪国農耕文化村センター」を見学しました。瀬戸内国際芸術祭でもお馴染みの草間彌生さんの作品「花咲ける妻有」はやはりここでも圧倒的な存在感があり、ここでは海ではなく山や棚田との融合により、緑に映えていて印象的でした。宿の食事は、地元の畑で取れた新鮮野菜を生のまま味噌を付けて頂き、地元のお米「コシヒカリ」も期待通りの美味しさで大満足でした。

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今回は日数が短かったため(というより初日のスタートが遅れたためで、これは個人行動の弊害です!)、少し先の「津南」まで足を延ばすことができなかったのが心残りでした。しかし東京から僅か2時間ほどで大自然のアート作品に大いに触れることが出来、非日常的な体験ができて良かったです。次にこの地で開催は3年後、その前に来年地元香川県での芸術祭開催なので、しっかり参加したいと思います。

極端に少なかった2泊3日の荷物                                              豪雪地帯の車庫の屋根は丸い
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道路脇あらゆるところに、野菜の自動販売機
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