#388 人生初の入院体験

f388突然ですが、先日人生初の本格的入院を体験しました。実はどうも右眼の視野が欠けたり、暗くなったりするので、これはマズイと思い眼科受診をした結果、なんと「網膜が剥がれていますね」といわれ、気分が一気に凹みました。よく聞く病名ですが、罹患率はというと、1(人/年・万人)つまり、年間1万人に一人位の割合だそうです。よって病名ほどはポピュラーではないので、生来、引きの強くない自分にしては、なんでだろう、とも思いました。一方、周りの人たちからは、「私の知り合いも以前なった」という声を複数人から聞いたので、もう少し頻度は高いような気もします。何れにしても小麦粉とは関係ありませんが、備忘録を兼ねてアップさせていただきます。

先生のお話によると、網膜剥離に自然治癒はありません。手術以外に治療方法はなく、術後は10日~2週間の入院が必要とのことでした。もちろん入院自体は仕方ないとしても、問題は入院時における過ごし方です。というのは知り合いの身内が、以前網膜剥離の手術を受け、その後の入院生活はずっと「うつ伏せ状態を強いられていた」と聞いていたからです。この理由は、網膜をくっつけるために空気の浮力を利用するのですが、このためにはうつ伏せになって、空気が下から網膜を押し上げる状態になる必要があるからです。

つまり寝るときも、食事も、歩くときも、トイレも、基本的にはすべてうつ伏せ状態で生活する必要があります。まあ起きているときはまだしも、寝ているときも枕を抱えたままずっとうつ伏せ状態を維持するのは、いかにも大変そうで、知り合いからこの話を聞いたときには、「自分だけは、そんな経験はしなくないなあ」と強く思ったものです。しかし現実には、その貴重な体験をすることになってしまい、人生というのは本当にどう展開するのかわかりません。

実際に体験してみての「うつ伏せ状態生活」は、やはり予想通りでした。食事をする、本を読む、歩くといったことはそんなに苦痛ではありません。問題は就寝時です。1~2日程度であれば、「まあ、このくらいは」と割り切ることができますが、その後はひたすら「精神修養の時期」に入ります。なかなか寝付けないので、ただただじっと耐えるのみです。このエネルギーを仕事に活かすことができれば、と思いますが、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」とはこのことです。看護師さんによると、ときどき見回りをして、仰向けになって「ガーガー」言ってる人を見つけると、気の毒に思いながら、起こすそうです。

今回の入院は9泊10日。手術前に前泊を指示されたときは、病人でもないのになぜかなと思いましたが、術後の経過を考えると、体力温存が必要であったと、納得しました。あまり快適とは言えない入院生活でしたが、良かったことが2つありました。一つは食事がとっても美味しかったこと。もう一つはベッドの上で何十年かぶりに聞いた「ジェットストリーム」でした。ナレーションは、城達也さんから大沢たかおさんへ、そしてテーマ曲の演奏は、バイオリンからチェロへと変わっていましたが、とっても懐かしく聴きました。

実を言うと、初めての入院は2004年9月8日、左半月板手術のときでした。ただこのときは僅か一泊でしたので、単なる素泊まりみたいなものでした。昔は膝の手術といっても切開手術が主体でしたので、手術そのものの負担も大きく、長期入院が当たり前でしたが、今は内視鏡の普及により、迅速に、簡単に、そして正確にと、本当にありがたく思います。一昔前なら歩行困難になるところが、次の日から普通に歩けるのですから夢みたいな話です。また網膜剥離にしても、以前なら失明が避けられないところですが、医療技術の発達により、また元の生活を送ることができます。昔の生活と現在とを比較すると、それぞれ一長一短はありますが、こと医療に関しては、つくづく現代に生まれてよかったと、思わずにはいられません。