#241 盛り蕎麦とざる蕎麦

先日、ビッグサイトで機械の展示会があったので、工場長のTさんと一緒にいってきました。どこのブースも、それぞれの会社の自信作ばかりを持ち込んできているので、「うぅ~ん」と唸るような素晴らしい機械ばかりでしたが、お値段の方も「うぅ~ん」と唸るような、そして目玉が飛び出そうな値の張るものでした。

食品業界においては、最近の傾向として異物混入が大問題になるため、色彩選別機がだんだんと存在感を増しているような気が、個人的にはしました。色彩選別機とは、CCDカメラで流れてくる製品を監視しながら、形状もしくは色が異なる物体を異物とみなし、それを小さな空気銃で撃ち落とし両者を分別するというスグレモノです。例えば、お茶っ葉やちりめんじゃこに混じっているゴミとか不良品などは、これまでは人海戦術による目視検査でしかできなかったものが、技術革新により今では、この色彩選別機を使ってより早くより大量にそしてより正確に選別することが可能になったのです。

ところで折角上京したので、お昼は当然蕎麦屋さんに入りました。職業柄、麺類は何でも大好きです。っで、メニューを見ながらTさんが、おもむろに「盛り蕎麦とざる蕎麦ってどこが違うんやろか?」と聞くので、「改めて聞かれるとようわからんなぁ!」っと。

そこで店員さんに聞いたところ、「刻み海苔がかかっているのがざる蕎麦で、ないのが盛り蕎麦です」との返事でした。「じゃあ、ざる蕎麦お願いします」と注文したら、なんと信じられないことに、でてきた蕎麦には海苔がかかっていませんでした。で、「なんでやろか?」と訝しがっていると、店員さんが「すいません、海苔を忘れていました!」っと別のお皿に入れてもってきてくれたので、画像のような妙なざる蕎麦になりました。

帰った後、パソコンでググッてみると、両者の違いは厳密に言うとそれ以外にもいくつかあるようでした。本来であれば「一番だしを使用するのがざる蕎麦で、二番だしがを使用するのが盛り蕎麦である」とか、また「ざるに盛るのがざる蕎麦で、皿に盛るのが盛り蕎麦である」云々・・・。まぁ全体的な感じとしては、盛り蕎麦よりもざる蕎麦の方が、ちょっと高級っぽいというところでしょうか。

気になる両者のお値段の差ですが、ご覧のとおり50円でした。これを高いとみるか安いとみるかは判断の分かれるところですが、飲食店では人件費が大きなウエートを占めることを考慮すれば、案外良心的かもしれません。

ちなみに刻みネギだけを載せたうどんのことを、かけうどんとか素うどんといいますが、この基本的なうどんとそれ以外の具材の載っかったうどんとの差額が問題になることもあります。一例を挙げると、なんで油揚げが一枚載っただけのきつねうどんが、100円も150円も高くなるのかといった議論です。でもこの場合、「油揚げ」という明らかな違いがあるので、差額がその違いに見合うだけの価値があるかどうかは、各自で判断すれば良いと思います。

しかしそうでないこともあります。流石に現在では見かけなくなりましたが、うどん屋さんによってはかけうどんも、ざるうどんも、釜揚げうどんも同じうどんを使用していたことがありました。つまり一旦せいろに打ち上げておいたうどんを、湯煎してそれに茹で湯をいれたものを「釜揚げうどん」と称して、また水に戻してざるに打ち上げたものを「ざるうどん」としてだしていたところがありました。前者は明らかに湯だめうどんみたいなもので、後者は冷やしうどんモドキであるので、これらは表示違反と言われても仕方ありません。よって「これで100円も200円も余計に払わされるのはかなわん」というご意見はごもっともです。釜揚げうどんは、やっぱりゆで釜から直接とりだしたものを、またざるうどんは打ち上げた直後のうどんを使用するべきです。