#173 (Q)小麦粉1Lの重さはいくらですか?

「小麦1㍑の重さはいくらですか?」との質問が届いたので、ついでに小麦関連の色々な重さを1㍑分量ってみました。その結果は次の通り:

計量物 1リットル重さ
ASW(オーストラリア)
860g
ホクシン(北海道)
890g
セモリナ
750g
強力粉
680g
中力粉
630g
さぬきの夢2000
590g

 

小麦】
一般に硬質小麦は、軟質小麦に比べ、硬くて重いことになっています。つまりパン用の小麦は、ケーキ用の小麦より重いのです。今回量ったASWとホクシンは共に中間質小麦で、これを製粉すると麺用に適した中力粉ができます。
同じ中間質小麦なのに重さが違うのは、きっと含まれている水分の違いだと想像します。一般に、日本でとれる小麦は輸入小麦よりも水分が多めです。輸入小麦の水分は10%前後ですが、国産は12~13%あります。製粉する側からすると水分は少ない方が好まれます。だってそれだけ歩留まりがいいですからね。

【セモリナ】
セモリナとは、小麦の胚乳の塊、専門的には「胚乳の粗粒」といいます(これまで何度もでてきましたが・・・)。現在の製粉は、小麦を一気に小麦粉にするのではなく、少しずつ小さくします。つまり小麦を少し割っては、ふるいにかけ、またそれぞれを別々に挽くという作業を繰り返します。その理由は一度に小さくしてしまうと、皮の部分が小麦粉に混ざってしまい、うどんにしたとき色がくすんだり、食感がざらざらしたりするからです。小麦のセモリナは手にとると、砂のようにサラサラしています。

またセモリナというと、パスタの原料を連想する方も多いでしょう(というか普通はこっちですよね)。パスタは、デュラム小麦という一般の小麦とは種類の違う小麦を使用します。そしてそのデュラム小麦を製粉してできた小麦粉もセモリナといいます。紛らわしいですが、セモリナには小麦の胚乳粗粒とデュラム小麦からできた粉の二つの意味があります。

【小麦粉】
小麦粉は小麦を割って粉砕するので、小麦に比べ比重は小さくなります。また一口に小麦粉といっても、小麦の種類によって比重はかなり異なります。パンに使用される強力粉は、元の小麦が重いせいか、小麦粉の中では比重が一番大きくなります。「さぬきの夢2000」はかなり軽く、これは手にとってみると、ふんわりしています。「さぬきの夢2000」は小麦の種類としては、一応中間質小麦ということになってはいますが、そのたんぱく量で判断する限りは、どうみても軟質小麦です。だからこんなに軽いんですかね。

結論としては小麦→セモリナ→小麦粉と加工度が進むにつれ、だんだんと軽くなります。