#129 鳴門うどんを作ってみました

同じテーマでここまで引っぱってよいものかと思案しますが、とりあえず「鳴門風うどん」を作ってみました。基本は、次の3つです。

①多加水

②低塩度

③わざとゆで置きにする。

【製作データ】
製作日:平成20年3月10日
小麦粉:さぬきの夢2000
A(さぬきうどん風):塩度10%、加水48%
B(鳴門うどん風 ):塩度 3%、加水45%
そぼろ熟成:2時間
熟成:2時間
ゆで時間:12分

【うどん作り】
この条件だと小麦粉1kgに対し、Aは真水432gに塩48g、またBは真水437gに塩13g見当になります。見かけの加水率はAが上ですが、実際はBの方が水を多く含みます。また、逆に塩については、Aの方がずっと多く含むので、生地はずっとしっかりします画像でもわかるように、同じように踏んでも、柔らかいBの方がよく延びるし、延ばし工程でも、Bはスイスイ延びます。加水は少しの違いで、硬くなったり柔らかくなったりするので、どんなに打つのが上手になっても、計量だけはキチンとしましょう。
教訓:おいしいうどんは、正しい計量から!

【ゆであげ後の評価】
それぞれ300gの小麦粉を使用したとき、ゆであげ後のうどん重量は次のようになりました。
A: 900g(3.0倍)   B: 1010g(3.4倍)
Bの方が生地が柔らかいため、薄く、細くなり、それだけ水を吸収して重くなったと考えられます。3人でテイスティングした結果、Aが見た目だけでなく、食感、味すべてにおいて好評でした。画像からもそのあたりの感じを確認いただけると思います。Bもそこそこはいけるんですが、ちょっとワンタンや干瓢みいな感じがしないでもない(ちょっとゆで過ぎかも!)。また水を余計に吸収したせいか、Aに比べると少し味が薄いような気がするし、見た目も初心者が打ったうどんみたいだ。

【2日目の食味試験】
2日目になると、どちらもよく似た味になった。Bは、ゆであげ直後の水っぽさ(ゆで過ぎによる?)は消えた。違いは、Aは噛んだときに僅かな抵抗を感じるが、Bにはそれがなく、噛まずとも口の中でとろけそうな感じ。でも個人的には何ら問題はなく、どちらも小麦でんぷんの味がして食べやすいと思います。硬いだけで味のないうどんは、鑞(ろう)をかむようで箸が進みません。それよりは、うどんそのものに小麦でんぷんの味がすれば、コシがあるのも柔らかいのも、両方好きです。
蛇足ながら、Aの表面がテカテカ光っているのは、肉うどんつゆのラードのせいです。

 

【3日目の食味試験】
2日目も3日目も大して変わりません。画像はAのさぬきうどん風。ゆであげ後かなりの時間が経過しているので、一般のさぬきうどんのイメージにはほど遠いけど、口当たりはやさしく、味もそこそこ好い線行っている。
できればAとB、同時に試食したかったんですが、Bは家人により既に処分済(泣!)。

【まとめ】
同じ小麦粉でも、水や塩の量によって、全然違ううどんができます。うどん生地には熟成時間が必要ですが、水が少ないほど、また塩が多いほど熟成時間は長くとる必要があります。うどんは別に硬くする必要はなく、いかに小麦でんぷんのうま味を引き出すことができるかが、ポイントになります旨くできたうどんは、少々時間が経っても味そのものは、そんなに劣化しないのでコシさえ気にしなければゆで上げ後も長い間、賞味することができます