#107 東京のあるうどん店・・・福助(ふくすけ)

先日、都内にあるお得意さんに所用があって、営業のO君と二人で行ってきた。で、その後、別のお得意さんのKうどん店に寄ろうかと思っていたけど、急遽、清瀬にある「福助」にいくことになった。福助さんは、当社のお客さんではないけど、ちょうど去年の今頃、工場見学にきてもらい、またそれ以後もお会いしたり、やりとりをしていたので気になっていたうどん屋さんだ。だから、やっと実現できてとっても嬉しい。

神田から丸ノ内線で池袋に出て、西武池袋線に乗った。こういうローカル線に乗り、30年前と同じ黄色い各停電車がまだ現役ばりばりで走っているのをみると、遠い学生時代がよみがえってくる。それはともかく、電車に揺られて清瀬駅に着いたのが3時過ぎ。そこでは悪友のうどん仲間のOgちゃんが待っていてくれた。いつもになく物静かな彼女であったが、それは単に「福助」でのうどんを楽しみにしていたので、昼食を抜いていたからだったようだ。

清瀬駅からタクシーで5分位のところに「福助」はあった。典型的な路面店で、商店街とかショッピングモールは近くに見あたらないし、「よくこんなところでやっているな!」と思ったけどなかなか口には出せない。でも女将さんの顔をみても、そんなにやつれてはいないし(というかふくよか)、話していても余裕充分なので、順調にいっているに違いない。それに後でわかったことだけど、月曜は定休日だったところを、Ogちゃんが無理やりこじ開けさせたらしい(どうもありがとう)。

福助うどん

福助うどん

でてきたうどんは、売れ線「合い盛りうどん」。その名の通り、片や「農林61号」の地粉うどん、もう一方は、現在主流派の「ASW」のうどんで、違いは一目瞭然。原料が違うので、当然違ううどんではあるけど、同じように手作りで丁寧に仕上げているので、どちらも小麦でんぷんのうま味があって、それぞれにおいしい。見ればすぐにわかるように、少し不揃いで縮れた麺はいかにも素人っぽくて、手打ちであることがわかる。つけ汁はお肉の入った少し甘めの武蔵野風で、うどんと良く合う。

売れ線・合い盛りうどん いかにも不揃いで手打ちっぽい

売れ線・合い盛りうどん いかにも不揃いで手打ちっぽい

店舗展開しているお店は、どこも安定した味がでているので、安心して入れる。でも一方、こういった個人店舗では、いかにも「ここだけの手作りですよ」といった、その店特有の味わいを主張しているようで好きだ。こういうデリケートな感覚は、やっぱりご主人が直接目配りしてないとなかなかだせないね。そういえば、このあたりの感じは以前いったエン座さんにも共通するものがある。

さぬきうどんは、確かにおいしいけど、900店ものお店が鎬を削っているので、価格的な制約からも純手打ちというのを提供するのはなかなか難しい。また、人気店は客が引きも切らないので、おいしいうどんをゆっくり落ち着いて食べることもなかなか厳しい。だから県外にでて、純手打ちのうどんを落ち着いて味わっていると、正直のところほっとするね。

福助の女将さんとご主人

福助の女将さんとご主人

紹介が遅れましたが、ここのご主人のお名前は相澤直美さん。詳しいプロフィールは、最近発売された、「そばうどんvol.37(p222-223)」にも紹介されているので、興味ある方は是非見てね。またお店の詳細については、よければこちらもどうぞ