#066 うどん一玉の小麦粉の量

スーパーで売っているゆでうどんの袋の裏を見ると、大抵 200gと書いています。つまり、ゆでた状態で200gが一応うどんの一人前ということになっています。でも、これだけ食べてお腹一杯になる人は多分いませんね。一人前というには、あまりに小さいからです。なぜ200gが一人前かは知りませんが、とにかくそうなっているのです。

では、さぬきのうどん屋さんのうどん玉はどうなっているのか、調査してみました。結論から言うと 312店の平均は約240gで、スーパーのうどんの約二割増となりました。下限は200gでこれだと、やっぱり小さく物足りなさを感じます。わんこそばではないけれど、若い兄ちゃんならポンポンいけそうな感じです。逆に300gを超えると、かなり大きく、「あぁ、うどんを食べた」という気がします。中には一人前500gといううどん屋さんもありましたが、これはちょっと常識の線を外れているような気がします。

話が少しそれますが、この「一玉の重さ」は初めて入るお店では、かなり重要な意味をもちます。一玉の量がわからないので、 (小)にしようか(大)にしようか迷うのです。やっかいなことに、A店のうどん(小)がB店のうどん(大)より大きいといった逆転現象も稀にあります。問題は一玉の大きさだけにとどまりません。普通は(大)といえば(小)の二倍の量を連想しますが、これも色々です。C店は(小)はかなりボリュームがあるのに、(大)はそれ程でもなかったりします。

また、 D店では(小)は小さいけれど、(大)はきっちり(小)の二倍あるとか、色々なバリエーションがあるのです。中には、メニューに(1玉)、(2玉) 、 ( 3玉 ) と書いてあるので、これなら安心して注文できそうですが、これとて、基準の一玉の大きさに左右されるので油断はできません。出てきたうどんが、大きいと「あっ、ラッキー」と思いますが、これはそのうどんがおいしい場合であって、味のないうどんを、砂を噛む思いで食べ続けるのはとても不幸です。

で、普通、統計をとるときに使用するうどん一人前の小麦粉使用量は80gを採用していることが多く、これはゆでうどんに換算すると約240gになります。つまりゆでうどんの中の小麦粉は僅か1 / 3しかなく、残りはすべて水です(結構な水商売かも)。よって「一玉=240g」とするなら、スーパーのうどんは、ちょっと小振りで、うどん店での平均がちょうど一人前になります、というかこちらを基準に80gを算定したのかもしれません。
新着情報#65「さぬきうどんの生産量」で触れましたが、うどんの種類としては、乾燥うどん、生うどん、そしてゆでうどんの3種類があります。では、乾燥うどんや生うどんの一人前は何グラムになるか気になるでしょ?ゆで上げ後の重量を同じ240gにするなら、乾燥うどんは80g、生うどんは120gあたりが一人前になります。乾燥うどんは含まれている水分が少なく(14%程度)、また生うどんはかなり多いんですけど(40%程度)、どちらもゆでると、水を吸って240gあたりになります。つまり、簡単にいうと、ゆでると乾燥うどんは3倍に、生うどんは2倍に膨れるということです。

「さぬきうどんの生産量」で表示している数字はすべて小麦粉換算なので、どの数字も80gで割り算することによって、何人前かがわかります。

結論:乾燥うどん、生うどん、ゆでうどんの一人前はそれぞれ、80g、120g、240gで、これらは小麦粉に換算するとすべて80gとなります。