#038 さぬきうどん史上に輝く快挙(?)

永く続いてきた今回のさぬきうどんブームも、一昨年の暮をピークに沈静化してきました。これは小麦粉使用量などの統計データからも明らかです。製粉会社も暇ということではありませんが(負け惜しみか?)、新規の問い合わせに追われるということは、めっきり減りました。

これを裏付けるかのように、昨年の GW の期間中、さぬきにうどんツアーに来た人たちは、明らかに一昨年のそれよりは減少した、というか余り大したニュースにもならなかったような気さえします。で、今年も同様の傾向だろうと思っていたところ、どこでどう転んだのか、一転どこのうどん店も長蛇の列ができ、いたるところ渋滞が起きていました。「うどんはうどん屋にいったら、すぐにでてきて食べるもの」と思い込んでるさぬきの人たちに、この行列は不可解に映ります。

ナンバープレートもいろいろ賑やかで、中四国はもとより、奈良、新潟、習志野、また沖縄ナンバーも見かけました。ただでさえガソリン価格が高騰している折、これだけ全国から来ていただき、本当にありがたいことだと思います。こういう光景を目の当たりにしていると、正に「さぬきうどんブームの真っ只中ではないか」という錯覚に陥ります。

中でも特に渋滞がひどかったのが、近所の「がもううどん」(とテレビで言っていました)。その根強い人気に、狭い進入路が拍車をかけたのか、えらい渋滞が起こりにっちもさっちも行かない状態となりました。そして残念なことに一部の傍若無人なツーリストのマナーに反した路上駐車が問題となり、坂出署が出動する事態に発展しました。その結果、坂出署の強い指導による営業時間短縮という憂き目に会い、なんとお昼前には閉店となってしまいました。

普通、午前11時とか12時と聞くと、どちらかというと開店時間を連想しますが、これがなんと終了時間なんです。100玉残しての、早期自主閉店は前代未聞だそうで、ご主人の心中、察するに余りあります。しかし、問題はこれだけでは終らず、翌5月6日は、なんと臨時休業と相成りました。今回の出来事は青天の霹靂、寝耳に水でした。今年の GW は天候にも恵まれ、絶好のスタートを切っただけに、この書き入れ時の最中におこった不幸な事故は、本当に残念でなりません。

でもね、ものは考えようです。確かに、営業的には多少の影響はありました。でもこの他に例を見ない歴史的な事件は、今後さぬきうどん史上に、大きく残ります。この偉業(?)はこれからも燦然と輝き続け、「余りに多くの客が訪れたせいで、休業の憂き目に追いやられた最初のうどん店」として後世に永く語り続けられるはずです(多分、ここが初めてだと思うんですけど・・・)。「損して得とれ」というではありませんか。この GW での凹みは、すぐに取り戻せます。しかしこの名声は未来永劫続きます。だから長期的にみれば、絶対に損ではありません。それに引きかえ、喜んでいいのかどうか、当社は「注文が殺到して、配達ができなかった」ということはまだありません。