#017 天ぷらうどんの自給率

目的:国産小麦4品種でつくったうどんをテイスティングしてみました。

詳細: 先日、埼玉県の蕎麦・花野さんから4種類の内麦粉で作ったうどんが届きました。原料小麦は次の通りです。
(1) 農林61号
(2) イワイノダイチ
(3) さぬきの夢2000
(4) あやひかり

尚、これらの小麦のついての詳細は下記をご覧ください。
独立行政法人 農業・生物系特定産業技術研究機構 作物研究所のサイト:

結果:
外見は以下の通りです。光の加減で多少差がありすぎるような気がしますが、それでも「あやひかり」は一番きれいに見えました。「さぬきの夢2000」が少ないのは、湯で歩留りが低かったためです。つまり、麺が切れてあまり、残らなかったということです。

農林61号

農林61号

イワイノダイチ

イワイノダイチ

さぬきの夢2000

さぬきの夢2000

あやひかり

あやひかり

 

4種比較一覧表

原材料名
農林61号
イワイノダイチ
さぬきの夢2000
あやひかり
ゆで時間
13分
13分
14分
13分
外見 ゆで時にはきれなかったが、水洗い時に半分位が切れてしまった。 あやひかり、さぬきの夢2000に比べると、少し明るい。黄色味をある。 透明感があり、黄色味がある。外見は一番きれいだ。 さぬきの夢2000同様、透明感があり、外見良好。
食味 ある者曰く「昔の団子汁の味がする」。小麦の生臭さが強調されている。よく言えば昔懐かしい味、逆にいえば、一昔前の内麦の味でしょうか。現在では少し受け入れられにくいような気が少しします。 夢2000やあやひかりと同程度、いやそれ以上の甘みがあった。ただ、2日前に、「あやひかり」と「イワイノダイチ」だけでの比較試験では、こちらの評価が高かった。 小麦の甘みが感じられる。とっても味の濃いうどんです。 甘み、風味はイワイノダイチ、夢2000程は感じられない。
食感 「もごもご」した感じで、硬い。食感についても、いかにも昔の内麦でつくったような感じがする。 つるつるしている。夢2000、あやひかりに比べると、歯ごたえがありました。 つるつる、コシコシ、そしてもちもち感がある。ゆでるときに切れたにもかかわらず、食感、喉ごしは極めて良好。 つるみ感、もちもち感は4つの中で最高。
相対評価

 

(注意)
ひとつだけ注意点があります。うどんは何れも、埼玉から直送されたものなので、うどんになってから、ゆでるまでにかなりの時間が経過している、ので必ずしもベストの状態ではありません。

またそれに加えて到着したその日は、こちらの都合でゆでることができず、一旦冷凍保存しておき、数日後それをゆでました。ということで、これもうどんにかなりの影響を与えていると思います。実際、かなり団子になった部分もあったので、ゆでるときに、その部分がくっついたようです。

早い話、ここでの結果はあくまでも一般的な傾向で、厳密なものではないことをご承知おきください。つまり結果に対しては、ここで安パイを振っておきます。

考察:
(感じたこと)
上記の一覧表と重複するところもありますが、個人的に感じたことを列記します。

(1)「あやひかり」は全ての点において、優れていて、ここでの総合評価は一番でした。

(2)「さぬきの夢2000」は食感は低アミロースの「ぷりぷり感」が小気味よく感じました。また小麦の甘みが一番強く感じられ、「味の濃さ」というものを再確認しました。ただ、4銘柄の中でダントツに切れたのも事実です。悪く言えば、作業性悪し、上手く言えば「打ち手の腕を試す」小麦です。「さぬきの夢2000」はもう少したんぱくが増えて、作業性さえ向上すれば、完璧ではないかと思います。

(3)「イワイノダイチ」は前回ゆでたときには「あやひかり」よりも評価が高かったのに、今回は逆の結果になりました。一度の食味試験だけで結論はなかなかでません。やっぱり、最低3度はやらないと正確な評価はできないのかも知れません。

(4)「農林61号」は良くても悪くても、一世代昔の小麦のような感じがします。