#152 うどんは世界に通用するか?

美味しくて健康的ということで、海外での日本食人気はすっかり定着した感があります。「好きな日本食は?」と聞いたら、「スシ、テンプラ、サシミ」なんかが定番として返ってきます。確かに旨くて、日本食には違いないけど、毎日食べろと言われたら、こってりし過ぎて、ちょっと閉口します。だからそんなもんばっかり食べても、なかなかダイエットになるとも思えません。

一方、うどんやそばなどのB級グルメは、毎日食べても飽きません。私ももちろん毎日食べています。しかし向こう人たちが、天ぷらやスシを食べていても、うどんやそばを啜っているのは見たことはありません。っで、欧米の人たちはなんで、麺類を食べないんだろうと以前考えたときの結論は、「欧米の人たちには啜る食文化がない」からでした。つまり熱々の麺をスープと一緒に食べようと思ったら、麺は啜るしか方法がないけど、この「ずるずる」という啜る音が、動物的な食べ方を連想させるので、精神的に抵抗があるようです。だからこの「ずるずる」という音に対する文化的な壁が取り除かれない限り麺類は普及しないと思っていました

でも、天ぷらや寿司がおいしいのに、うどんやそばはだめだというのは、なんとも残念だと思っていると、以前東京のあるラーメン店で、ラーメンをおいしそうに食べている外国人を目撃しました。それも首を少し傾げて、箸を器用に操り、「ずるずる」と食べる様は、日本人となんら変わりありませんでした(新着情報#052)。この光景を目撃してからは、信念が少しぐらつき、「やっぱり外国の人もラーメンが好きなんだ」と思うようになり、ひょっとしたら、うどんやラーメンが海外に進出する日がくるかもしれないと、考えるようになりました。

そして最近、嬉しいニュースがロシアから飛び込んできました。現在、ロシアでは経済好調の追い風を受けてか、モスクワでも日本食ブームだそうです。ソ連時代には1軒しかなかった日本料理店が、今では200軒以上。そしてなんと、さぬきうどん店も1号店が2007年7月にオープンし、4号店が間近だそうです。さぬきうどんが受けている理由は、主として次の3つ:

① おいしい         ・・・ 個人的には文句ありません。
② ダイエットに効果あり ・・・ 日本食なのでダイエット効果ありと謳っていますが、これは当然食べる量によります。
③ 廉価である       ・・・ 天ぷらうどんが130ルーブル(約600円)。今や世界有数の物価高のモスクワではお値打ち価格ということで、人気を集めています。

グローバリゼーションの波で、ひょっとしたらうどんも海外における日本食の定番メニューに仲間入りするやもしれません。最近はグルジア問題でまたまた東西の緊張が高まっていますが、なんとかみんなで仲良くできないものかと思います。