2020年7月のお知らせ

仕事の帰り道、瀬戸内海を見渡す海辺に立ち寄りました(会社から10分ほど)。坂出から岡山方面に向かって、瀬戸大橋を真横に見渡すことができます。一人の男性が釣りに来られていました。「今日は大潮なので、釣りには最適。今は潮が引いているけど、夜の11時頃には満潮になりますよ」。「11時頃まで釣りをされるのですか?」。「はい・・」と言いながら、微笑んでいました。日常生活の中で、「潮の満ち引き」なんて考えたことがありませんでした(笑い)。

サッカー・ファンの人たちは、南アメリカの「ウルグアイ」国をご存じだと思います。ワールド・カップ12回の出場、2度の優勝。地図で南アメリカ大陸の真ん中を見てください。北東部はブラジルと、西はアルゼンチンと国境を接し、南は大西洋に面しています。人口は約345万人、国土は日本の約半分。「人間」の数よりも「牛」の数が多いそうです。あるウルグアイ人男性の穏やかな「微笑み」に魅了されました。

第40代ウルグアイ大統領(2010年~2014年)「ホセ・ムヒカ」、愛称「ぺぺ」です。最近、ペペのドキュメンタリー映画が公開されました。映画は、ペペと映画監督の二人が、庭先で「マテ茶」をストローで飲みながら、真剣な眼差しで見つめ合ったり、急に笑い出したりする場面から始まります。マテ茶はハーブティーの一種で、ビタミンやミネラルを多く含むため、「飲むサラダ」と言われているそうです。監督は、「トラクターを運転する大統領がいる」という話を耳にし、「ペペ」の写真を見て即座に映画制作を決めました。「ペペ」の穏やかな表情からは想像できない、ウルグアイの歴史が紹介されていました。

ウルグアイは福祉国家で、「南米のスイス」と言われました。しかし、1973年に誕生した軍事独裁政権に抵抗したために、ペペは13年間、国内の刑務所を転々とする生活を送ります(南アフリカのネルソン・マンデラ大統領が27年間、獄中生活を送ったことを思い出しました)。映画の中で、ペペは「国内の刑務所は、すべて知っているよ!」と笑いながら話す場面があります。「孤独と向き合った独房生活で、私を救ったのは読書でした。独房の中で考えたことや経験が、後の自分自身を形作りました」という言葉が、映画の中で何度も語られています。

2012年、ブラジルで開催された「国連持続可能な開発会議」で、ペペは演説を行い、世界中の人々の注目を集めます。「環境問題を起こす真の原因は、消費至上主義です。幸福の意味を問い直しましょう」と呼びかけました。2019年10月、京都市在住の大学生、「岩本心」さんのエッセーが新聞に紹介されました。岩本さんはメキシコに留学中、ホセ・ムヒカの著書に出会い、ペペに会いたくなりました。ウルグアイの首都モンテビデオのバス停で、「ムヒカの家を知りませんか?」と尋ねました。

「ペペの家に行くには、このバスに乗るんだよ。あとは乗っている人に聞いたら、教えてくれるから・・」と、ある女性が強引に彼をバスに乗せました。そして・・ペペの家に着きました。気持ちが「どきどき」している岩本さんにマテ茶をご馳走しながら、ペペは言いました。「日本の若者たちに伝えて下さい。学校は幸せになる方法を学ぶ場所です。素晴らしい人生とは、『生きる理由』を持ち続ける人生の事ですよ」と。岩本さんはペペの言葉を日本の若者たちに伝えるために、新聞のエッセー欄に投稿しました。映画は、ペペと奥様がレストランで音楽を楽しんでいる場面で終わります。ペペは解りやすい言葉で語ります。「人生をたっぷり味わいなさい。もっと生きることをめがけて!」。

7月のお休みは11日(土曜日)・23日(海の日)・24日(スポーツの日)そして日曜日です。

6月、友人は「蛍(ほたる)」を見に行くそうです。「最近なぁ・・ほたるの結婚式に出会う機会が少なくなった」「えっ? ほたるの結婚式?」「ほたるの結婚式のときは蛍が、一斉に『ぱっ ぱっ』と光を放つんやでぇ」。素敵な話を聞きました。おからだ大切になさって下さい。