2020年6月のお知らせ

さわやかな香りが漂ってきました。「蜜柑の花」を見たことがありますか!?白い、小さな花です。さわやかな香りは「みかんの白い花」でした。

4月下旬以来、お客様からのお便りが、いつもより多いことに気づきました。「家で過ごすことが多くなり、ホーム・ベーカリーで焼くパンが、家族の毎朝の楽しみになりました」。「手打ちうどんを打つ96歳の父が、お昼は必ず麺類を食べます。いつまでも長生きをしてほしいと願うばかりです」。「家庭で子供たちと過ごす時間が増えて、出番のなかったホーム・ベーカリーでパンを焼こうと思いましたが、小麦粉は品切れでした」。

今、世界中の人々が様々な困難に立ち向かいながら生活しています。(アメリカの全国紙)ザ・ニュー・ヨーク・タイムズのコラムニスト、ジェニファー・シニア Jennifer Seniorさんのコラムは身近に感じるものでした。見出しは「いかに、あるパン屋さんは、コロナ問題の中で生き延びようとしているでしょうか!」。ニュー・ヨーク市のブルックリンのパーク・スロープという閑静な地区。お店の明かりが消えていく中で、デュ・ジュール・ベーカリーDu Jour Bakeryというパン屋さんだけの明かりが灯されています。

そのパン屋さんの「力の源」は、「近所のお客様の律義さ」と経営者・ベラさんの「肝っ玉のような元気」だと言います。ベラさんとの会話から、中小企業の経営者が何に直面しているかが伝わってきます。従業員の生活の保障・お店の経営。例えば、8800ドルの家賃(日本円で約95万円。やはりニュー・ヨークは高いです)が5000ドルになれば、なんとか利益がでるそうです。今のところ、家主さんの答えは「ノー」です。

「第三の場所」という言葉を聞いたことがありますか!?職場と家庭の間にあり、人々の心の拠りどころである「お気に入りの場所」の事だそうです。例えば、カフェや本屋さんや(香川県だったら)うどん屋さん・・など。人々は語り合い、人間関係を作り、地域社会でのつながりを深めます。中小企業や個人商店は地元で人々を雇用して、経済を循環させています。地域の特色を作り、お店の主は微笑みながら人々を見守りながら、「居心地のよい場所」を生み出しています。コラムを読みながら、私は個人商店の存在の大切さを改めて感じました。

ベラさんは余分に焼いた製品を、時おりジェニファーさんに持たせてくれます。お客様と話をするときは、「私のパン屋は大丈夫」と言いながら、安心した雰囲気を与えます。人々との「交わりの気持ち」を大切にしているからです。香川県とニュー・ヨーク。地理的に離れていても、問題に向かい、改善策や解決策を試みている姿勢に心惹かれます。ベラさんのお店のコラムに励まされました。余談ですが、週末に訪れるカフェに、毎日のように来られる80歳らしい男性。自転車に乗って来られます。特別な会話をするわけでもなく、お顔を見ると「お元気でよかった」と安心します。私は「大丈夫 だいじょうぶ」という言葉の響きが好きです。

6月のお休みは6月20日(土曜日)そして日曜日です。

ベラさんのパン屋さんで作られているマフィンは野球ボールのような大きさで、ショー・ケースに飾られている光景は、海賊の宝箱みたいだそうです。いつか、N.Y.のベラさんのマフィンを食べてみたいです。おからだ、大切になさって下さい。