2020年5月のお知らせ

桜の花に包まれた4月のはじめ、学校の正面玄関に「日の丸」の旗が飾られていました。楽しそうに話されているお母さんと女の子を見かけました。入学式だったのですね。

東京のお客様から、「緊急事態宣言発令で不急不要の外出を控えています。暗いニュースで希望が見えない毎日ですが、朝、部屋に広がるパンの焼けた香りで、幸せな気分を味わっております。頑張りましょう」と、穏やかで心強いお葉書に、私たちは「元気」を頂きました。

昭和生まれの子供たちは、土曜日の夜に放映されるドリフターズの「8時だヨ!全員集合」を楽しみにしていました。番組は子供たちの大きな声援につつまれ、私は何が面白いのか・・わからないままに番組を見ていました(笑い)。ドリフターズの方たちが、小さな子供たちと同じ目線で番組を進めていたことが魅力の一つだったのだと、今、気づきました。

3月下旬、メンバーの一人である「志村けんさんが逝去されました」とニュースが伝えられました。直ちに、友人から「志村けんさんが逝ってしまった」とメールが届きました。みんなの心に「ぽっかり」と穴が開いた感情に駆られたのだと思います。

NHKラジオの外国語講座の講師、パトリス・ルロワさんは日本に来られた時、どのように人間関係を育んでいけば良いか?‥と思考錯誤していました。子供や大人たちが笑っている、ある番組に興味を惹かれました。なぜ、みんな笑っているのだろうか!?パトリスさんは「この人の話し方の真似をしよう」と思います。「その人は、志村けん」さんだと、私は思います。話し方の速度、ダジャレの言い方、声の出し方、話し相手への掛け合い・・。志村けんさんにそっくりです。

例えば、日本人講師の先生のことを「たかちゃん、この場合はどう思う!?」というように、親しみやすい会話が飛び交います。語学講座は、何度も「壁」にぶつかり、挫折しそうになります。パトリス先生の話し方は、語学の「難しい」という壁を取り除いてくれました。

「志村けん」さんと「加藤茶」さんによる「ひげダンス」を覚えていますか!?黒の燕尾服を着て、付け髭で仮装します。手首を90度外側に向け、ペンギンに似たような格好でステップを踏みながら踊ります。この踊りのバックに流れている音楽は、アメリカのソウル・ミュージックの「テディ・ペンダーグラス」さんの「ドゥー・ミー Do Me」という曲を基本に作られています。志村けんさんが「この曲」を選び、ベース・ギターが主旋律を奏でています。「音楽」にもこだわっていた志村さんの姿勢に、改めて驚きました。

いつもは、「硬い内容の文面」を書かれている新聞のコラムニストの方が、「バカ殿に心癒される」と寄稿されていました。演劇や映画の緊張した場面で、滑稽なエピソードを言って、その場の雰囲気を和らげる人物が逝ってしまった。我慢の日々が続く現在、私たちは、今、志村さんのような人物を必要としています。

朝日新聞の「かたえくぼ」欄は、「だいじょうぶだ~と 言ってほしかった」と読者が投稿していました。読みながら、私の心は「笑い」と「せつなさ」に包まれました。志村さんの表情は、チャールズ・チャップリンと重なります。はにかみながら、顔の表情は、「繊細さ」と「寂しさ」と「笑い」が同居しています。志村さんがいたら、子供たちに「風邪ひくなよ」「お風呂はいれよ」「宿題やれよ」「歯磨けよ」そして「マスクしろよ」と言われていると思います。「志村けん」さん、たくさんの「笑い」をありがとう ございます。

5月のお休みは、5月3日・4日・5日・6日23日(土曜日)そして日曜日です。

4月27日、「つばめ」を見ました。感激しました。おからだ、大切になさってください。

令和2年5月1日
木下製粉株式会社