2019年3月のお知らせ

節分の季節が過ぎると、太陽の光の中に「春の色」が感じられます。会社の隣に「文具店」があります。文房具だけでなく、たばこ・飲み物・ゴミ袋・駄菓子なども販売されています。夕暮れに灯される、店先の丸い電灯の灯りは「昭和の雰囲気」があり、私の心を「ほっ」とさせてくれます。

「セラピー犬」という言葉を耳にしたことがありますか!?体や心の病気、ケガをした人たちの回復を応援するために、病院や療養所などで活動する「わんちゃん」たちです。神奈川県立こども医療センターには、約400人の子供が入院しています(生まれてから、一度も病院の外に出たことのない子どももいるそうです)。この医療センターに、月曜日から金曜日の朝9時、2頭のセラピー犬が出勤します。11歳のベイリーと2歳のアニーです。2009年、白いゴールデン・レトリーバーの「ベイリー」はオーストラリアで生まれました。「のんびり」とした性格はセラピー犬の素質に適していることがわかり、ハワイのマウイ島で一年半をかけて訓練を受けました。患者のそばに寄り添い「癒しを与える活動」の訓練や、医療に従事している医師や看護師さんたちと一緒に、どのように協力していくのかといった訓練を受けました。

話は前後しますが、看護師として「こども病院」で働いている森田(もりた)優子(ゆうこ)さんは、病院での治療に耐えながら時間を過ごしている「小さなこどもたち」を見ながら、少しでも「楽しい時間をすごす」方法はないだろうか、という気持ちが強くなりました。そんなとき、アメリカでのセラピー犬の活躍を知るアメリカ人女性が、「日本のこども病院にセラピー犬を導入できないか!」と働きかけている知らせが届きました。「こども病院にセラピー犬を常駐させる」という日本で初めての試みです。森田さんはハンドラー(犬との信頼関係を築き、一緒に行動する人)としての誘いを受け、研修を受けます。

ハンドラーとセラピー犬。お互いの相性と信頼関係が良くて、初めて実力が発揮されます。研修後の実施試験で、森田さんは緊張し涙がとまらなかったそうです。理由は、森田さんが神経質になり、ベイリーも神経質になっていたからでした。しばらくして、森田さんがトイレへ歩き始めると、ベイリーが後ろからついてきました。ベイリーは森田さんのことを好きなのです。森田さんは「ベイリーを遠い日本につれていくんだ。みんなの誠意に応えなければ・・」と思いました。

私がベイリーの存在を知ったのは、テレビのドキュメンタリー番組でした。ベイリーとアニーは入念な消毒を済ませると、(通常ならば、決して立ち入ることのできない)病棟へと向かいます。小学生の「ゆいちゃん」は手術を受ける前、「ベイリーをさわっていると心が落ち着く。明日は手術。少し緊張しているけれど頑張る」と日記に記しています。手術の当日、ベイリーは手術室の前まで「ゆいちゃん」と一緒に歩きます。驚きました。ベイリーは、ゆいちゃんが手術室にはいった後も、閉じられた扉を見つめて動こうとしません。手術の後、痛みで体が動かないゆいちゃんのために、ベイリーはベッドに乗って添い寝をしています。ベイリーはゆいちゃんが眠りにつくと、ベッドから離れました。私はベイリーから二つのことを学びました。「どんな状況においても冷静に判断する眼差しと、いつも穏やかな気持ちを持つ」ということです。ベイリーは11歳。人間の年齢では80歳だそうです。仕事のない日は、プールで歩いたりして筋肉の維持を心がけています。

3月のお休みは、21日(春分の日)・30日(土曜日)そして日曜日です。

この季節、デパートや市役所などの大きな建物に入ると、部分的に暖房の「暑い空気」が流れてきます。贅沢ですが、「暑いね・・」という会話を耳にします。ある日、「餡まんの気持ちがわかるわ」という会話が聞こえてきました。?? お店のガラス・ケースの中で蒸気に蒸されている「餡まん」の事を例えているのだと、思わず微笑んでしまいました。おからだ、大切になさって下さい。