2011年4月のお知らせ

東日本大震災で被災されました皆さま、そして関係される皆様に、衷心よりお見舞申し上げます。そして一日も早く、心が落ち着かれる日々が訪れることを願っています。

3月12日、ニュー・ジーランドに住んでいる友人からEメールが届きました(2月22日、ニュー・ジーランドの南島に位置するクライスト・チャーチで地震がありました)。「日本の北東部で大きな地震があったとの報道。科学者たちは、クライスト・チャーチでの地震の8000倍の規模だと言っています。今日、日本に向けて救助隊が出発します」。テレビから、信じられない映像が流れてきました。そして今、福島第一原子力発電所の事故は、私たちに大きな問題を投げかけています。

「核の番人」と呼ばれる国際原子力機関(IAEA)によると2010年1月現在、世界で稼働中の原子炉は437基。1位のアメリカは104基、2位のフランスは59基、3位の日本は54基(今、13基が建設・計画中)・・・ドイツは17基。小さな日本の国土に、多くの原子力発電所が建設されていることに驚きました(各国の諸条件は異なりますが、ニュー・ジーランドやオーストラリア・イタリアは原子力発電を使用していません)。日本は1954年に原子力基本法が成立し、1963年茨城県東海村にて、最初の原子力発電が行われました。現在、日本の消費電力の3割程度を作りだしています。

鎌田實さんの「雪とパイナップル」という絵本を再び読みました。鎌田さんは長野県の諏訪中央病院の医師。19年前からチェリノブイリの放射能汚染地域に医療チームを送り、多くの子供たちを救い続けています。医師団派遣も87回を超えました(2010年2月のお知らせにて、絵本の物語を紹介しています)。私はこの絵本を読んだとき、同じような事故が日本で起こるとは、想像もしませんでした。原子力発電は「地球の温暖化対策に有効なクリーンなエネルギー」と考えられてきました。国際競争力を持つ原子力産業は利益と雇用を生み出してきました。10年後、20年後、50年後・・・、私たちが穏やかで、自然に恵まれた国で生活を送るために、今回の震災は「社会の仕組みを考えるきっかけ」を私たちに与えてくれました。3月26日、ドイツのベルリンでは25万人が「反原発運動」のデモに参加しました。漢字で「福島」と書かれたプラカードを持って、デモ行進する人々の写真が掲載されていました。

また、海外の新聞は「被災地では、あからさまな便乗値上げが起こらず、水やお米が地震前と同じ価格で売られている。人々は我慢強く、店の前に何時間でも列をなして待っている」と報道しました。実際、海外に住んでいる友人から、「人々の節度ある、落ち着いた態度に、驚いている。精神の捉え方が異なる」と聞きました。千葉に住んでいる友人は、ガソリンの給油に2時間、待ったそうです。3月14日付の産経新聞の第一面に、(2歳くらい?)男の子の写真が掲載されていました。男の子は、両足を左右に開いて立ち、両手を広げ、顔は真直ぐ前を見つめています。被爆の有無の検査を受けている写真です。男の子の顔の表情は責任感に溢れ、日本の将来を見つめている印象を受けました。鎌田さんは、絵本の後書に記しています。「未来の日本を支える人たちに、この本を贈ります。ぼくは未来を信じています」。

4月のお休みは 23日(土曜日)、29日(昭和の日)
   それと日曜日です。

フランスのモンペリエに住む友人からの便り。「4月6日に、日本の震災した人々のために、クラッシックのコンサートが開かれます。収益金はすべて、被災者の方たちに届けられます。コンサートのティケットはほとんど売り切れている。もちろん、私も聴きに行きます」。毎年、穏やかな桜の季節が迎えられますように・・。おからだ 大切になさって下さい。

木下製粉株式会社  平成23年4月1日