2008年6月のお知らせ

ひさしぶりに関西空港(大阪)に行きました。国際線の到着ロビーは華やかな雰囲気があります。到着ロビーから誰かが現れるたびに、歓声が聞こえてきます。ひとりの女性が印象的でした。アメリカの方でしょうか・・・ヨーロッパの方でしょうか・・・。その女性は、若草色の着物と紺色の帯に身を包んでいます。誰かを迎えに来られているようでした。

「アノ、スミマセン。ハンカチヲ、落トシマシタヨ」。
驚いて、私は振り向くと、その女性が話しかけていました。
「ありがとう ございます。助かりました。あの~、失礼ですが・・・着物を自分で着られるのですか?」
「イイエ、ワタシの同僚ト、イッショニ 着マシタ」。
ゆっくりと丁寧に話される彼女の日本語から、「自分の考えを日本語で伝えたい」という誠実な気持ちが伝わってきました。
「どれくらい日本に住んでいますか?」
「ハイ、去年ノ9月ニ、日本ヘ来マシタ」
「誰かの お迎えですか?」
「ハイ、ドイツ カラ、ワタシノ リョウシン ガ キマス。日本ハ 初メテデス」。
初めて日本に来られるご両親に、彼女が得た日本の文化を伝えたい・・・という思いが感じられました。
「アノ・・・」着物の後ろ姿を見ながら、「着物 オカシク ナイデスカ?」と私にたずねました。
「素敵ですよ。心配しないで・・・」
「ワタシ・・・空港ニ来ルマデ、電車デ 2時間 カカリマシタ」。
日本人以上に、「日本の思い」を伝えようとしている彼女の姿勢に、私は再度驚きました。私が忘れかけている「日本の大切な心」を教えてくれました。ロビーにご両親が到着したようです。彼女は駆け寄って行きました。

関西国際空港は、騒音対策のため沿岸から5km離れたところに人口島(5.15平方km)を埋め立てし、建設されました(日本で最も面積が最小であった大阪府は、埋め立ての結果、香川県の面積が最小となりました)。国際線旅客便は週614便、国際線貨物便は200便、国内線旅客・貨物便は493便。世界初の「民営の国際空港」です。空港ターミナルの設計は、イタリアの建築家「レンゾ・ピアノ」が担当しました(私は空港ターミナルを初めて見たとき、鉄パイプが「むきだし」になって、すこし冷たい印象を得た思い出があります)。

レンゾ・ピアノは「飛行機の翼」をイメージして「円弧のように穏やかなカーブ」を描きました。「ガラス」を多く使い「開放感」を求め、外観は「翼を休める鳥」のようにデザインしたそうです。レンゾ・ピアノのインタビュー記事を読みました。「建築は、安全で、美しく、詩的なものでなければならない・・。その美しさは、精神的で謙虚なものです。人々が集まって長い時間を過ごし、多くの人々と対話を行う場所です。建築士は詩人であり、職人でなければならない。夢を持ち続け、何かに挑戦していく必要があります」。1937年生まれのレンゾ。記事を読みながら、関西空港への印象が変わってきました。

6月のお休みは 14日(土曜日)、
   それと日曜日です。

「つばめ」たちが、すごく速いスピードで飛んでいきます。梅雨の季節の到来。「田植え」の準備が始まりました。季節の変わり目です。お体、大切になさってください。

木下製粉株式会社会社  平成20年6月2日