2007年1月のお知らせ

明けまして おめでとう ございます

年の瀬、近所へ散歩に出かけました。新しい年を迎える準備で、人々は嬉しそうで、そして忙しそうです。神社へ寄り道しました。「松の木」が飾られ、新年を迎える空気が伝わってきます。こういう時間の流れ・・・大切にしたいと思います。

書家の榊莫山(さかきばくざん 1926年~)さんの「冬生まれに囲まれて」というコラムを読みました。・・・わたしは、紙といっしょに暮らしている。筆でかく作品の紙は、命がけの紙です。その命がけの紙は「宣紙 せんし」と呼ばれる中国の紙で、墨との合性がばつぐんに良い。だから私はその紙を「神」だと思っている。紙は、水の冷たい冬、良いものが生まれます。墨も冬生まれが良い。さらに筆の毛も、冬の動物の毛でなくてはならない。作品は、筆と墨と紙との「出会い」で、気温・湿度がつよく影響します。宣紙は高い湿度をきらいます(梅雨の頃の作品は、墨の色が冴えません)。・・・寒い季節がきらいだと言いながら、冬だからがんばっています。良い作品を作らねば・・・と思いながら、毎日を暮らしています。

莫山さんの一番好きな字は「土」だそうです。「土」という字の生い立ちは、上の棒は地表を、下の棒は地中を表しています。自然の営みとして土の上に植物の種が落ちると、土の中に入っていく。この種が風・雨・太陽などの天地自然の恵みを受けて芽を出してきます。古代中国「殷 いん」の時代に考案された甲骨(こうこつ)文字の「土」は、清めの酒をふりかけている字形があります。土地の神を拝んだものと思われます。それ故、「土」は「社 やしろ」のもとの字であると白川静(しらかわしずか)さんは説明しています。ひとつの漢字のなかに、たくさんの生い立ちが込められています。

ところで、「字」はどうしてつくられるようになったのでしょうか。殷の時代(紀元前1600頃)の王様は神様にお伺いをしました。占い師が「亀の甲」を火にかけると熱くなってひびがはいります。その占いの結果を表すために、「字」が考案されたそうです。「文字・言葉」には国の歴史・人間の歴史が映しだされています。フランスの小学校では子どもたちに「詩 ポエムの暗譜」を奨励しているそうです。小学校の国語の時間、先生に注意されながら、何度も書き直した「漢字」。知らないうちに日本文化の大切さを、教えてくれていたのだと思いました。

1月のお休みは 8日(成人の日)、20日(土曜日)、
   それと日曜日です。

郵便配達をしているアルバイトの高校生に出会いました。住宅地図をみながら、郵便物と名前を確認しています。「真っ赤な自転車」にのって坂道はすこし大変そうです。郵便切手を葉書に貼って、ポストに投函します。ゆとりの時間を大切にしたいと思います。2007年が穏やかで楽しい日々をすごされますように・・・。今年もよろしくお願いします。

木下製粉株式会社会社  平成19年1月1日