2006年10月のお知らせ

稲穂の色が、少しずつ「緑色から黄色」へと変わりつつあります。夕陽の色は深いオレンジ色。夕暮れの時刻も早くなりました。秋は近づいています。16日・17日と社内旅行で神戸へ出かけました。

淡路島を経由して、お昼前には神戸・南京町に到着。南京町の誕生は120年前、神戸港開港の年と言われています。在日中国人の方たちが、元町の南エリアに料理店・洋服屋・漢方店などを営み始めました。昭和初期には「南京町に行けば、何でもある」と言われるほど、全国各地から買い物客が訪れたそうです(もちろん、今も活気にあふれています)。

中国には季節ごとに4つの節句があります。元旦の春節、端午の夏節、中秋の秋節そして冬至の冬節。陰暦の8月15日、十五夜に月を祀(まつ)り、秋の収穫を祝って「地の神様」を祠る日とされてきました。この季節の満月は、一年中で最も「円」に近く、最も美しいと言われています。満月の円い形は「円満・完全」を意味し、儒教の教えによって親を大切にする中国では、円形に食卓を囲むことから家族団らんにつながり、「月」は古くから崇拝されてきました。私たちは、昼食に円卓を囲みながら中華料理を頂きました。自然と微笑みがこぼれてきます。南京町のスーパーには、中秋の秋節を準備する「月餅」饅頭がたくさん並べられていました。

午後は兵庫県立美術館を訪ねました。平成7年(1995年)1月17日の阪神淡路大震災から「文化の復興」のシンボルとして神戸東部新都心に誕生しました。常設コーナーでは「小磯良平(こいそりょうへい)・黒田清輝(くろだせいき)」など美術の教科書で学んだ画家たちが紹介されています。「今回の社内旅行・・・修学旅行みたいやなあ・・・」と誰かが言っています。思わず笑ってしまいました。

特別展では「ジャコメッティ展」が開催されていました。細長く引きのばされた針のような人物彫刻。ジャコメッティ(1901~1966)は細長い人物彫刻で知られています(名前を知らない方でも、どこかで御覧になったことがあると思います)。家路に向かう知人に「さよならの挨拶」をした後、知人の姿は小さくなっていくのに、知人の「影(かげ)」は細長くだんだん大きくなっていきます。この細長い「影」の中に「人物を見えるがままに表そう」ということを求めました。

哲学者・矢内原伊作(やないはらいさく、1908~1989)は留学先のパリでジャコメッティのモデルをつとめました。1956年のことでした。一日に10時間近く、ポーズを続けたこともあったそうです。絵画・彫刻をみながら・・・・「私はこんなの、わからない・・・」という会話を耳にします。難しいことを考えずに、「絵画をみて心地よく感じたり、素敵だなあと思える気持ち」が大切だと思います。

六甲高山(ろっこうこうざん)植物園は植物学者の牧野富太郎博士の指導を受けて、1933年に開園しました。海抜865 m に位置するために、平均気温は北海道並の約9℃です。この気候を利用して1500種類の高山植物・寒冷地の植物が栽培されています。高山植物は「色・形」ともに華やかさはありません。でも「誠実に、凛(りん)として生きている」という印象を受け、大好きです。晩秋を思わせるような冷たい風が吹いていました。

10月のお休みは 9日(体育の日)、21日(土曜日)
   それと日曜日です。

旅のおわりに「ぶどう狩り」を楽しみました。マスカット、ピオーネ。食べながら・・・みんなの顔は、笑っています。おからだ、大切になさってください。

木下製粉株式会社会社  平成18年10月2日