2006年3月のお知らせ

「待っていた」3月、春の季節がきました。弥生(やよい)という言葉の響きは心を優しくしてくれます。桜の季節までもう少しですね・・・。

トリノ冬季五輪オリンピックがおわりました。女子フィギユア・スケートの競技を見ながら、1964年の東京オリンピックの「ひとコマ」を思い出しました。チェコの「ベラ・チャフラフスカ」選手の体操演技です。個人総合・平均台・跳馬で金メダルを獲得し、日本中を魅了しました。私は(小学生であったにもかかわらず・・・)均斉とれた姿・理性にあふれた表情、そして「優雅さ」にあふれた演技を覚えています。その後、チャフラフスカ選手は、どんな生活を送ってきたのでしょうか。

1968年、チェコはソ連からの自立をめざした動きが起こります。いわゆる「プラハの春」という民主化運動です。ベラはこの民主化運動を支持しました。1970年代、ソ連の軍事介入により、ベラは危険分子としてマークされるようになりました。当局に連行され訊問(じんもん)を受ける日々。民主化の支持者は弾圧され、(5年間)仕事がありませんでした。それでも、ベラはソ連の政策路線に屈しませんでした。

「なぜ亡命もせずに、自分の信念を通したのですか・・・?」という質問に対するベラの答えは、「節義のために!!」でした。政治的なイデオロギーを信奉しているのではなくて、「愛国心の観点から、ただ一人の個人として、正しいと思うこと」を貫いたのです。62歳になったベラは現在、療養所で生活しているそうです。「苦しい状況の中で、一個人として背筋を伸ばして生きてきた人がいた。そうやって人は生きていけるんだ」ということを、教えられました。

話は変わって、2010年の冬季五輪オリンピックはカナダのバンクーバーで開催されます。閉会式で五輪旗はバンクーバーの「サリバン市長」に渡されました。サリバン市長が座っている「電動車いす」の差し込み口に五輪旗の柄が入れられました。19歳の時、サリバン市長はスキーの事故で手足の自由を失いました。自分で靴下と靴を履くという身近な目標から始めました。ボランティア活動を始め、障害者支援のNPOを設立。市議会に当選し、2005年11月市長になりました。

2度、3度、ステージの上で電動車いすが回転すると、五輪旗は風に乗って「ゆったり」となびきました。「ペンを持つのがやっとの握力では、とても五輪旗は持てない。でも介助なしで自立できることを示したい」。議会後、車いすに差した旗を振る練習を続けてきました。「バンクーバーは自然が自慢です。人口密度が低いからこそ、生活の質の高さがつくれるというモデルを目指しています。住宅地の隣には熊やクーガが棲む森が広がります。大自然と人とが共存するオリンピックを実現したいです」。

オリンピックは私たちにたくさんのドラマを与えてくれました。

3月のお休みは 11日(土曜日)、21日(春分の日)
   それと日曜日です。

「かぜ」ひかれていませんか・・・。おからだ 大切になさってください。

木下製粉株式会社会社  平成18年3月2日