2005年10月のお知らせ

秋分の日が過ぎました。仕事を終えると、戸外は「うっすら」と暗闇につつまれています。「心」落ち着くひとときです。お昼の長さもずいぶん短くなりました。

社内旅行の続きをお話しましょう。松江市の宍道湖(しんじこ)の湖畔に位置する「松江ウオーター・ヴィレッジ」を訪ねました。ここはルイス・カムフォート・ティファニー庭園美術館と英国式庭園があります。ステンドグラス・ランプ・家具調度品・絵画が展示されています。

ルイス・カムフォート・ティファニーはアメリカ ニューヨーク5番街の有名な宝飾・銀製品店「ティファニー&カンパニー」の二代目として1848年に生まれました。しかし家業を継がず、画家を経てインテリア・デザインやステンド・グラスの分野に進みました。ティファニーがステンド・グラスの分野で世界的な名声と商業的成功を収めたのは、「ファヴリル」というガラスの発明によるものでした。様々な色のガラスの組み合わせにより「独特の質感・独特な色・微妙な風合い」をつくりだしました。言葉ではうまく表現できませんが、「どうやって、こういう色を造りだしたのだろう・・・」という疑問がわいてきます。オレンジ色ひとつにしても、少しずつ微妙に色が異なります。ガラス自体に色をつけ、光を透す・・・・・。光を透して見られる「ガラスの色」は、私たちを不思議な気持ちにさせてくれます。

美術館内では、作品をひとつひとつ見るごとに、「わ~すごい。綺麗ね・・。」と溜息混じりの声が聞こえてきます。100年以上の時を経ても、「新しさ・力強さ」を感じさせる不思議な魅力を持っています。その反面、「現在こういう作品はもう造ることができない・・・」という気持ちに駆られました。それほど、「力強い繊細さ」を感じる作品です。

もうひとつ驚いたことは、これらティファニーの作品は「日本の芸術」が根底にあったということです。17世紀から約400年間、日本は西洋文化に大きな影響を与えました。例えば、西洋の多くの画家たちは「浮世絵」に技法を学びました。おおげさに表現された役者の性格・表現豊かな線・平坦な色彩。写楽の浮世絵とフランスの画家ロートレックの版画をならべると、構図までそっくりです。明治時代、西洋の油絵が日本に紹介されて以来、多くの日本の画家たちはフランスのパリへ足を運び、西洋絵画を学びました。同時に西洋の画家たちが、日本の浮世絵を収集して日本美術に憧(あこがれ)ていたことは驚きでした。

旅行の最後に、出雲日御崎(ひのみさき)灯台を訪ねました。1903年(明治36年)に完成。43メートルもある日本一高い灯台です。外壁が石、内壁がレンガ造りの日本独自の二重構造です。中は「らせん階段」を歩いて、最高位に到着。足がすこし震えました。日本海の「真っ青」な色。「真っ白」な灯台。少しつめたい風が吹いてきました。

10月のお休みは 10日(体育の日)、22日(土曜日)
   それと日曜日です。

秋祭が近づいてきました。夕暮れのなかから、「お獅子」の練習の音色が聞こえてきます。おからだ 大切になさってください。

木下製粉株式会社会社  平成17年10月4日