2005年3月のお知らせ

如月(きさらぎ)2月のある日曜日、知人のお庭を訪ねました。「ピン」とはりつめた冷たい空気のなかにも、暖かい春の日差しが感じられます。庭の片隅に あざやかやピンク色をした梅の花が咲いています。うれしくなると同時に、自然の力の強さに驚きました。

声優の「大山のぶ代」さんをご存知でしょうか。そう・・テレビアニメや映画の「ドラえもん」で、足かけ26年間 ドラえもんの声を担当してきました。大山さんは「ドラえもん」のなかで子どもたちに、メッセージを伝えてきました。「ドラえもん」の原作者は「藤子・不二雄」さん。視聴者のみなさんは、テレビアニメと原作との間に違いがあることに気づいていたでしょうか。それは、ドラえもんやのび太くんたち小学生の言葉遣いです。声の出演者たちは、「子どもたちには、きちんとした言葉遣いをしてほしい」と願って、番組を制作してきました。

ドラえもんは、未来からやって来た「子守用ネコ型ロボット」です。のび太くんに初めて会った第一声は、台本では「君がのび太君かい」・・・でした。母親のように、ときには友人のように子どもを育てる役柄です。大山さんの口からは「こんにちは、僕がドラえもんです」ときちんと挨拶するせりふが自然にでました。声優仲間とは「良い言葉だけ使いましょう」という誓いをたてたそうです。ここ四半世紀で子どもたちを取り巻く環境は、大きく様変わりしました。土管のある広場でおもいっきり遊び、いたずらをすれば叱ってくれる大人がいる・・・。そんなドラえもんの世界と現実とのギャップはどんどん広がってきました。だからこそ、声優たちの間では、「言葉遣いはきちんとしましょう」が合言葉になりました。大山さんは、ドラえもんのサインをもらおうと順番を無視したり、お礼の言葉が言えなかった子どもには、きちんと注意しました。

大山さんは中学生のとき、声を出すだけで「変な声」とクスクス笑われたそうです。次第に無口になり、授業中にも手を挙げなくなりました。母親は大山さんに激励の言葉をかけました。「人間は目でも足でも、そこが悪いとかばっていたら、ますます弱くなる。少しでも聞きやすい声の出し方、話の仕方を身につけなさい」。翌日、放送研究部に入りました。ドラ声がスピーカーから学校中に流れ、クラス・メートは「うちのクラスの恥」と責めました。しかし、いつのまにかクラス・メートは誰も大山さんの声を笑わなくなりました。母親の一言が、「ドラ声ののぶ代ちゃん」が今日の「ドラえもん」と出会うきっかけをつくったのです。

国際基督教大高校の滝川教諭は言います。ガリレオの地動説を認めなかったことにより、イタリアの科学技術は300年も遅れてしまった。科学技術立国の危機が叫ばれる現在の日本が重なりあいます。興味深い授業には面白い実験が不可欠です。新しい実験を生徒たちに考えさせるようにしています。実験を考えるということは、見通しがきかない未知の場所に乗り込んでいくということ。これからの日本人に求められる資質ではないのでしょうか。実験に目を輝かす子どもたちがいる限り、ガリレオの精神は生き続けています。

3月のお休みは 12日(土曜日)、21日(月曜日、春分の日の振替休日)
   それと日曜日です。

私は、夢(ゆめ)を与えてくれる「ドラえもん」のストーリーが大好きです。タケコプターに乗って自由にいろんな場所に行けます。いつも笑顔で問題が解決されていきます。そして、思いがけないものがポケットから出てきます。いつのまにか私の心もゆったりとしてきます。
「桜」さくらの季節が すぐそこまで、来ています。おからだ 大切になさってください。

木下製粉株式会社会社  平成17年3月3日