2005年4月のお知らせ

「桜」さくらの季節の訪れです。4月1日の昼下がり、オフィス街へ行きました。黒色・紺色のスーツに身をつつんだ人たちが視野に入ってきました。すれちがう人たち、みんな明るい笑顔に包まれています。「そうか・・・今日は入社式だったのだ・・・」。希望と目的にあふれた笑顔は、私に何かに挑戦する勇気を与えてくれました。同じに日に、大学に入学する友人からメールが届きました。「今日、今から入学式です。スーツ着てちょっとドキドキ。桜 少しでも咲いていたらいいんだけれど・・・。楽しんできます」。はずんだ声が聞こえてきそうです。

現在、東京の国立博物館にで「恐竜博2005」が開かれています。スーザン・ヘンドリクソンさんは、1990年の夏 アメリカのサウスダコタ州で発掘のボランティア活動をしていました。何も発見できないまま その場所を離れる2日前、1ヶ所だけ調査が終わっていない地点に出かけていきました。崖の周りを歩いていると、地表に骨のようなものが2、3個見えました。そしてふと崖を見上げると、巨大な恐竜の背骨の一部が「ニョキッ」とせり出していました。約3週間かけて、ハンマーやピッケルを使って慎重に手作業で岩石や土砂を取り除いていきました。世界最大の肉食恐竜の化石「ティラノサウルス」が発見されました。6700万年も地層の中で眠っていた「スー(ティラノサウルスの愛称)」は全身の骨がほぼ完璧な状態で発見されました。

不幸にも「スー」は土地所有者との法律問題に巻き込まれましたが、アメリカ、シカゴのフィールド博物館がマクドナルドとディズニーから多くの資金提供を受け、約10億円で落札しました。そしてフィールド博物館が「スー」を所有して、こどもたちの教育のために展示しています。スーザンさんは言います。・・・・私たちはいつか死にます。でも「スー」はこれからずっと、科学や歴史を学ぼうという意欲を人々に与えるために生き続けます。
エジプトの海底で発見したクレオパトラの宮殿。スペインの艦隊の大砲。キューバの海で見つけた難破船から引き揚げた宝石。化石を見つけるために何日間も歩き回るのは非常に退屈な時間です。でも、見つけて触った瞬間、化石たちは500年・2000年・6500万年もの永い永い間、私たちに見つけられることを待っていたのだと思います。そして、その瞬間に自分と過去がつながったような気持ちになります。世界を訪ね、多くのことを発見することができました。私ぐらい幸せな人間はいないと思います。雑誌の写真を拝見する限りですが、スーザンさんは長い金髪をなびかせた大柄な方。体も心もスケールが大きそうで、圧倒されそうです。

4月のお休みは 12日(土曜日)、29日(みどりの日)
   それと日曜日です。

讃岐では、琴平神宮で毎年恒例の「こんぴら歌舞伎」がはじまりました。日本最古の舞台、金丸座(かなまるざ)で催されます。金丸座の内部は、「時」が古(いにしえ)の頃にもどったようです。舞台と客席が近く、歌舞伎がより身近に感じられます。桜の季節、どこへ散策に行かれますか。

木下製粉株式会社会社  平成17年4月5日