うどんを切るときにくっついてしまいます。どうすればいいですか?

「うどんを切るとき、包丁にうどんがくっついて困った」という経験は、個人的にはあまりありません。もっとも、そんなに頻繁に打つわけでもないので、当然といえば当然です。ただ、この手のご質問は、結構問い合わせがありますので、ここでひとつ整理してみたいと思います。

さぬきでは、うどんを打つときの水加減は、小麦粉1kgに対し塩水500gが基本で、このとき加水率は50%であるといいます。ここに、塩水は500ccではなく500g、つまり体積ではなく、重さで量ります。どっちでもよさそうですが、塩水の濃度は9%~13%あるので、体積で量ると1割以上重くなり、生地の硬さにかなり影響がでます。

一般に機械製麺では 加水率は40%前後、手打ちだと50%程度といわれています。なぜ、こんなに違うかというと、機械の力はとっても強いので40%の加水で丁度いい塩梅に練ることができます。一方、人力(手練りともいいます)での、最適な加水は50%になります。逆に機械製麺で加水50%だと生地が柔らかくなりすぎて、作業性が落ち、また手練りの40%だと、硬すぎてなかなか生地がまとまりません。たとえ、できたとしても翌日は肩がパンパンに張って、仕事にならんと思います。

で、一般に手打ちの方が、機械製麺にくらべて美味しいといわれていますが、この大きな理由のひとつがこの加水率の差にあります。多くの水分を含んでいるので、熟成が進み、うどんのうま味が増します。ですからこれだけ加水量が多いので、切るときにくっつくのもまた自然なことです。ずいぶんと引っぱりましたが、くっつくのを防ぐ方法を次のように整理してみました。

(1)専用の麺切り包丁を使用する。
普通の家庭用で使用しているステンレス製の包丁は、どうしても押して切るので、麺を押しつぶすようになり、くっつきやすくなります。それに対し、麺切り包丁は、スパッと切れるので切断面がきれいになり、その結果角も立ち、うどんもおいしくゆであがります。

(2)切るときに、左手で強く押えすぎない。
当然ですが、切るときに上から押さえすぎると、生地がくっつきやすくなるのでご注意ください。

(3)専用の打ち粉を使用する。
うどんがくっつかないように、ふる粉を「打ち粉」といいます。昔は小麦粉を、打ち粉として使用していましたが、時間が経過すると、うどんと同化する、つまりだんごになってしまうという欠点があります。現在は、専用の打ち粉が販売され、愛好家の皆さんもよく使っています。ただ打ち粉といっても必要最低限、つまりうどんがくっつかない程度使用するのがコツです。打ち粉まみれのうどんだと、ゆで湯が粘りやすくなり、おいしくゆであがりません。

屏風たたみの最上面に少し多めの打ち粉を敷いておく。

屏風たたみの最上面に少し多めの打ち粉を敷いておく。

(4)屏風折りにした生地の上面に、少し多めの打ち粉をふる(図参照)
「包丁とうどん、正確には刃と切断面とくっつくのは、どちらも湿っているからです。包丁も最初はサラサラでも、うどん生地を何度か通過するうちに、ねばねばしてきて、うどんがくっつくようになります。そこで、屏風折にした上面に少し多めの打ち粉をふっておくと、包丁が入った切れ目から打ち粉が落ちて、刃と切断面に触れ、くっつくのを防止する」らしい・・・と、あるうどん屋さんから聞きました。