角の立つ、透き通るようなうどんを作るにはどうしたらいいでしょうか?

まずはズバッとお答えすると…
十分な加水、十分な混捏、そして十分な熟成
となります。それは当たり前だ・・・と、そう言わずに御覧ください。

小麦粉の中には、80種類以上ものたんぱく質が含まれていますが、この中で特に重要なのが、グルテニンとグリアジンです。

●グルテニン
抗張力が強く、引っぱって伸ばすのに強い力が必要です。

●グリアジン
軟らかくベトベトしています。

そしてこの2つが重要な理由は、これらが水と一緒になって「グルテン」という、小麦粉特有のたんぱく質を作り出すからです。
このグルテンは小麦粉だけに含まれる、たんぱく質で、他の穀物にはありません。だから小麦は特別なんです。

グルテンには弾力性と粘着性があり、この性質によって食パンは膨らむことができ、また冷えても縮まないでその形を保てます。うどんも同じです。小麦粉と塩水を混ぜ合わせ、捏ねることによって、グルテンが形成され、うどんは、つながっていることができます。つまり、グルテンは建物に例えると、鉄筋の役割をしていて、この鉄筋がうどんの形を支えているのです。

そして、この網目状のグルテンをしっかり形成するためには、生地の混捏(こんねつ)と熟成がポイントになります。混捏とは、混合と捏練、つまり、水合わせとその後の練りです。これを十分に行うことにより、網目状のグルテンが形成され、うどんをゆでたときに、でんぷん質が流されずに角が立ちます。但し、あまり、捏ねすぎたり、踏んだりし過ぎると、今度はうどんが硬くなるので、注意してください(過保護は禁物?)。

うどんの透明性(?)というか、つやについても、十分な加水(50%程度)で打ては、問題はないと考えます。ただ、最近は小麦粉に加工でんぷんを添加してうどんを作る場合もあります。加工でんぷんを加えることによって、うどんの透明感を増すことはできますが、これは注意が必要です。加工でんぷんは、無味無臭(本当は少し、加工時の臭いがありますけど)なので、入れるほど、相対的に小麦でんぷんが薄まることになります。結果として、うどんの旨味、甘味がなくなる場合があるので、十分に注意してください。

結論としては:
十分な加水、十分な混捏、そして十分な熟成、
これにつきると思います(なんか、あたりまえすぎてすいません)。いずれにしても、基本が重要ということでしょうか。 但し、鮮度のいい小麦粉を使用することもお忘れなく!