2023年5月のお知らせ

4月、ランドセルが大きく見える小学生とお母さんらしき人が、足早に歩く光景に遭遇しました。「入学式」らしい。季節の移り変わりを忘れていました(笑い)。日本では入学式が「記念すべき日」と思われていますが、欧米では「卒業式」が大切な日だそうです。

この季節になると、「夜学生」という新聞コラムを思い出します。以倉紘平(いくらこうへい)さんは1965年~1998年までの33年間、大阪府立今宮工業高校の定時制にて国語の教員をされました。夜学生との出会いにより、以倉さんは「自分自身の人生や、人生の思想の根源を変えられてしまった」そうです(深い言葉です)。夜学生たちのさまざまな生い立ちを察し、授業の中で「言葉」にすることにしました。勇気ある一人の生徒が語り始めた作文を「ガリ版」にして配りました。作文は「クラスの仲間たち」の理解を深め、書き手が増えていきました。

理髪店の椅子を作る会社に勤めている生徒Mに、ある日アメリカの支店に行く栄転の話がきました。クラスの仲良しグループ7人は話し合い、Mのアメリカ行きに賛成したのはただ1人でした。最初、アメリカ行きに心を躍らせたMでしたが、辞退を申し出ました。小学校以来、家族の家計を支えてきた母親をひとり残して、アメリカへ行く決心はできなかったからです。人生の苦労を見てきた夜学生の決断でした。後日、Mの結婚式で仲人を務められた以倉さんは、「アメリカ行き」のことを話されました。控室でお母さまは、「先生、よう聞かせて下さいました。私は何にも知りませんでした」と。Mは母親に相談することなく、アメリカ行きの話を断ったのでした。1970年頃から、日本は産業社会から消費社会に移り始めます。「物質的豊かさを、精神的豊かさにどのようにして結びつけるか。そして生きる力の源をどこに置くべきか」という以倉さんの言葉に重みを感じます。結婚後、Mは奥様と一緒に、ドライブを兼ねて古寺を訪ねます。「学ぶことに、あこがれて」、静かな寺の縁側で読書して過ごすそうです。精神的な豊かさを見つけたようです。コラムは「昔の夜学は人生の蜜がつまっていました」と結ばれています。

香川県西部に位置する三豊市(みとよし)は去年、「三豊市立高瀬中学校夜間学級」を開校しました。義務教育を十分に受ける機会のなかった人たちの「学びの場」であり、全国で初めて公立の夜間中学校として不登校の現役中学生をも受け入れています。2023年3月10日、初めての卒業式を迎えました。54歳の在校生のIさんが「夜間学級の後輩として、人生の先輩として・・。つらい時や悩む時は、みんなと学んだことや楽しかったことを思い出してください。焦らず、あきらめずに、ひとつひとつ乗り越えて下さい」とエールを送りました。

5月のお休みは、3日(憲法記念日)・4日(みどりの日)・5日(こどもの日)20日(土曜日)・27日(土曜日)そして日曜日です。

4月下旬、「つばめ」を今年はじめて見ました。ぴゅーっと すごい速さです。おからだ 大切になさって下さい。