2015年5月のお知らせ

m201505少し開いた窓から、心地よい空気が、ゆっくりと部屋の中に流れてきます。初夏の訪れです。

私たちの会社では、「うどん」用の小麦粉を中心に、製造しています。ここ数年、家庭での「ホーム・ベーカリー」の普及により、パン用小麦粉の製造にも力を注いできました。4月、神奈川県鎌倉市のお客さまから1枚の葉書が届きました。「孫達は、おばあちゃんパンが好評。パンを焼いた日は、シチュー。パンでお皿を最後まで、きれいに食べるのが楽しみの一つだそうです」。短い文章のなかに、子供たちがパンを焼きあがるのを待つ瞬間、シチューを頂く情景が浮かんできます。

パン食普及協議会は1983年、毎月12日を「パンの日」と制定しました。その起源は徳川幕府の末期にさかのぼります。中国ではアヘン戦争(1840年)が起こり、日本近海には黒船が現れます。幕府は外国からの防衛策のひとつとして、「パン作り」を伊豆韮山にらやま代官の江川太郎左衛門に命じました。火を起こして、ご飯を炊く煙は、敵に居場所を知らせてしまいます。保存性や携帯に優れた「兵糧パン」と呼ばれる「乾パン」のようなものが考案され、焼かれたのが1942年4月12日のことでした。

NHKラジオ第1放送にて、土曜日・日曜日(17:05 ~ 18:50)、「ちきゅうラジオ」が放送されます。様々な話題を取り上げて、世界各地から、お便りが紹介される番組です。4月12日の放送の話題は「世界のパン大集合」。イギリスのスコットランドでは、パンにポテト・チップス(塩とビネガー味)をはさんで食べるそうです。パサパサ・・していないのでしょうか(笑い・・)。イタリアのシチリア島(長靴の形をした国の先端にある三角形の島)では、アイス・クリームをはさんで食べるそうです。イタリアって感じがします。どんな、食感なのでしょうか!子供たちは大好きだそうです。アメリカの朝食では、トーストしたパンに、ピーナッツ・バターとジャムを添えて頂くのが定番です。初めて食べたとき、すこし驚きました。あまりにも意外な組み合わせだったので・・(笑い)。

フランスを旅したとき、自動車の後部座席の窓ガラスに、細長いバゲット・パンが(紙に包まれないままで)置かれている光景を見て、驚きました。カトリック教の教えでは、「パンは神聖なもので、汚れないもの」と考えられていると聞きました。友人のお家で食事を頂きながら、ひとつ、学びました。お皿に残ったサラダのドレッシングや、お料理のソースをパンにつけながら頂くことです。友人は、「お皿洗いのときも、きれいになっているし、いい考えでしょう」と。お皿に残ったソースを、パンで浸しながら食べるのは、正当な食べ方なのだと解り、安心しました。

余談ですが、ある日、「お米」を食べていた時のことです。「バゲットも必要かしら・・?」と友人は尋ねました。(お米を食べているのに、何故、パンも勧めるのかしら・・?解かりました!)バゲットdes baguettesは、フランス語でお箸を意味することを。パンのバゲットもお箸も、「細長い形」をしていて、バゲットと言うそうです。幼い頃、いつも言われました。「ごはんを、一粒も残してはいけない。一粒のお米ができるまでに、一年の月日がかかるのだから・・」。(残念なことに)最近、このような大切な言葉が聞かれなくなりました。私なりに、この言葉を伝えていきたいと思います。

5月のお休みは、3日(憲法記念日)・4日(みどりの日)・5日(こどもの日)・6日(振替休日)・23日(土曜日)そして日曜日です。

20年余り一緒に働いてくれていた同僚が退職しました。同僚と家族の方の後ろ姿を見送りながら、様々なことが思い出されました。「会社は、同僚たちと共に支えられてきて、支えられている」という想いを強くしました。新緑の季節です。おからだ、大切になさって下さい。