2011年11月のお知らせ

星野富弘さんのカレンダーには、「絵と詩」が描かれています(星野さんは「口」で絵筆を支え、描きます)。10月は橙色の小さな花が散りばめられた、「時を待つ」と題された「キンモクセイ」。
「花が咲くのは 年に一度 後は静かに 時を待っている。あくせくするのは 止めよう 一度でいい ひとつでいい」。
星野さんの詩は、おおらかで、力強い。視線はいつも社会の底辺に向けられている印象を受けます。雨が降り始めました。冷たい空気の中から、キンモクセイの優しい香りが流れてきます。

 

社内旅行の続きです。梼原から、公団幹線林道304号を北東方向に走ります。周囲の景色は、森林が多くなってきました。バスが通行できる整備された道路ですが、道路の片方は山の斜面、他方は絶壁です(心の中で、「ひぇ~」と叫んでいました)。平常心を保っている運転手さんが、頼もしく思えました。四国カルストは、約2億5000年前、噴火の止まった海底火山の頂上にサンゴ礁が発生し、厚く積み重なった石灰岩の地層を作ったことが始まりだそうです。

緑色の草原の中に点在する、白い石灰岩が見えてきました。牛たちものんびりと草を食べています。小さな四国の地に、こんな雄大なところがあるなんて驚きです。標高1355mに位置する天狗高原には、宿泊施設の天狗荘・キャンプ場・スキー場・森林セラピー道などが完備されています。高知県と愛媛県境を示す白い線の上に立ちました。みんな、童心に戻っています。自転車で来ている人に出会いました。「どちらからですか!?」と思わず声をかけました。「東京です。今朝、飛行機で高知・龍馬空港に着きました」。「自転車での登り道、大変でしょう」。「いや~、楽しいですよ。いろんな発見がありますから。今夜は松山で泊まります」。スポーツをされている方の笑顔は素敵です。

1時間くらい天狗高原を歩きました。なだらかに見える高原も、いざ歩き出すと上り・下りが「きつい」です。ガイドさんに遅れないように、歩くのが精一杯でした(なかば、脱藩者も出現)。「みんなが一列になって、一生懸命に歩いている光景は頼もしいですよ」とガイドさんのコメント。空の色は、いつもより青く、太陽は、いつもより眩しく感じます。よく晴れた日には、太平洋の水平線を見る事ができるそうです。地面に耳を澄ませてみました。何億年も前に造られた大地の上に立っていると思うと、不思議な気持ちになります。

11月のお休みは 3日(文化の日)、12日(土曜日)、23日(勤労感謝の日)
   それと日曜日です。

4年に1度の「ラグビー世界大会」が、ニュー・ジーランドで開催されました。友人たちは、「ラグビーは、精神的にも、体力的にも、運営面でも、いま最も美しいスポーツだよ!」と言います。「ラグビーは荒々しいスポーツ」という印象を持っていましたが、(直感的に)両チームの選手たちがスクラムを組んで押し合う場面は、「個々の人生の出来事」に重なりました。学生時代にラグビーの選手だった方は、「流動する中で、状況判断を求められるスポーツ。集団の中で一人ひとりが、機能と役割を担って、原動力に寄与します。私の経営の原点です」と言われました。8年後の2019年、日本で第9回ラグビー世界大会が開催されます。一年の締めくくりの季節です。おからだ大切になさってください。

木下製粉株式会社  平成23年11月1日