2010年12月のお知らせ

日本語は(他の言語と較べて)擬声語が多いと聞きます。「たっ! たっ! たっ!」。何の音だか想像できますか。人が小走りをしている時の足音です。「師走」は、「年内に檀家でお経をあげるために、僧侶が忙しくて走り回っている様子」が由来だそうです(正直なところ、こんな事って、あり得ない・・と私は思っていました)。今年の夏、社内旅行で京都へ行ったときのこと。早朝、若い僧侶が走っている姿を見ました。黒い袈裟に身をつつんだお坊さんが、信号が青に変わるのを待ちかねて「た~っ」と走り去って行きました。「師走の言葉の語源は、本当だった」と、思わず笑ってしまいました。

2010年、どんな思い出が印象深かったでしょうか。サッカー・ワールド・カップの試合で寝不足だった日々!40度近くになった真夏の日。ノーベル化学賞の知らせ(勇気をたくさん頂きました)。

初冬の日曜日、友人たちと昼食の時間を過ごしました。それぞれ、職業・年齢が異なる友人たち。定年退職して、新しい職場で働きはじめた友人。50代に入院生活を経験したT先輩とは、10年ぶりの再会でした。10年前、T先輩に電話をかけたとき、「明日から、入院するよ」と突然の答え。「先輩、お見舞いに行きます。どこの病院ですか?」。「病院に来ても、面会はできんよ」。「先輩、メールを送ります。アドレス、教えて下さい」と、電話を切りました。心のどこかでT先輩のことが気になりながら、月日が過ぎて行きました。5年ほど過ぎた頃、T先輩からの年賀状に「骨髄移植の手術を、無事おえました」と書かれてありました。私はこのとき初めて、T先輩の病状を知りました。

ランチを頂きながら、自然と話が進んでいきます。T先輩のドナー提供者は、横山秀夫著の「半落ち」というテレビ作品を見て、骨髄バンクに登録したそうです(作品「半落ち」の中で、梶警部は骨髄ドナー登録をして、一人の命を助けます)。「半落ちの作品が放映されなかったら、僕のドナー提供者は現れなかったと思う」とT先輩は、何度も言いました。(11月7日付けの)新聞から、日本骨髄バンクのドナー登録者は37万人。6割の患者が移植に至っていますが、登録から5カ月近く要します。綱渡りで命をつなぐ日々が続いているそうです。この記事を読みながら、「T先輩が不安と希望を抱えながら、長い月日を過ごした」事を改めて思いました。「じゃ、また今度!」とT先輩と握手。先輩の手は力強く、暖かい。体も心も元気になられた事を実感しました。

11月12日、(坂出市の)林田港に客船「飛鳥Ⅱ号」が入港しました。韓国・長崎を経由して坂出に着きました。全長240m、幅30m、総トン数50,142。乗客は800名、乗船員は400名。薄暗い冬の夜空の中に、「飛鳥Ⅱ号」は大きな白い白鳥が舞い降りたようでした。窓からシャンデリアの淡い光が流れてきます。客船飛鳥の姿は一日の疲れを癒してくれました。

12月のお休みは 23日(天皇誕生日)と日曜日
年末年始は 12月30日~1月4日までお休みをいただきます。

今年も、皆様のご協力を得て、年末・年始のお休みを頂くことができます。ありがとうございます。運送便による年内最終発送日は、北海道・東北・沖縄の方は12月16日、その他の地域の方は12月24日です。よろしくお願いいたします。いま、飛鳥Ⅱ号はどこを航行しているのでしょうか・・。
おからだ、大切になさって下さい。

木下製粉株式会社  平成22年12月1日