2004年1月のお知らせ

明けましておめでとうございます
新しい年 申(さる)の年が動きだしました。

お正月に鹿児島県にある屋久島を訪ねました。鹿児島市からプロペラ機で30分。周囲130キロ、淡路島よりひとまわり小さい島です。その中央に九州で一番高い山「宮之浦岳1936メートル」がそびえています。屋久島は1400万年ほど前に隆起したといわれる巨大な花崗岩のかたまりです。実際、渓谷には大きな一枚岩が見られます。暖流の海に浮かぶ亜熱帯気候の島ですが、宮之浦岳の山頂には雪と氷の冬が訪れます。(ホテルで宮之浦岳に登った方に会いました。山頂付近は1.5メートルの積雪だったそうです。)黒潮の海から生まれる水蒸気は山上の雲となり、季節風・台風と重なって山々に多量の雨をもたらします。その雨が標高差2000メートルの屋久島に多様性豊かな植物世界をつくりあげています。

「屋久杉」は屋久島に自生しているスギの地域名称で、樹齢1000年以上のものを意味します。屋久杉の年輪は、たいへん間隔がせまく成長が遅いことがわかります。樹齢1600年で、年輪の直径は180センチほどです。屋久島の山地は花崗岩のかたまりのために、水を蓄える力がありません。幸いにも雨に恵まれ、酸素をたっぷり含んだ新鮮な水を含んだ苔のマットが地をおおい、樹木の幹や枝をつつみ樹木・屋久杉の生活をささえています。森の中は苔と水の世界。木々の根っこ・苔を踏みつつ、歩きました。映画「もののけ姫」の舞台にもなりました。

すぐれた自然や文化財を後世に残そうというのがユネスコ世界遺産条約です。(ユネスコは国際連合教育科学文化機構。国際平和を目的とする、国際連合の教育機関です。)1993年(平成5年)、屋久島の20パーセントが世界自然遺産として登録されました。屋久島の住民たちは世界遺産と生活の場はつながりあったひとつの自然であると考えています。例えば、生ゴミの90パーセントは堆肥になり、ポンカンを育てています。波打ちぎわの水の色は透きとっています。砂浜ではかぎりなく続く水平線を背景に、キャッチ・ボールをしている子どもたちに出会いました。彼らの表情から、心の豊かさを感じました。

1月のお休みは 1~4日、12日(成人の日)、23日(土曜日)
   それと日曜日です。

中国の物語「西遊記」の孫悟空、日本のおとぎばなし「桃太郎」のなかの家来の猿。ふたつの物語に共通する猿は、旅の先導役であり、守護神でもあります。申(さる)の年、西へ東へ南へ北へ・・・出かけて行きましょう。 今年も皆様が健康で、楽しい出来ごとがたくさんありますように・・・。寒さのおり、ご自愛ください。

木下製粉株式会社会社  平成15年1月7日