2003年11月のお知らせ

お水が、冷たく感じられる季節になりました。路いっぱいに、落ち葉が広がっています。

「先月のお知らせでお約束した、秋の旅行の続きをお話しましょう。松山市の道後温泉で宿泊し、内子町を訪ねました。ノーベル文学賞を受賞された大江健三郎さんの故郷です。古くは製造卸小売り業が盛んで、旅館飲食業が栄え、活気のある町でした。必然的に花柳界も賑(にぎ)やかで芸者さんも多かったそうです。三味線・太鼓・鼓・舞踊・小唄・浄瑠璃など、たくさんの芸事を勉強していました。そして 男性も浄瑠璃の義太夫を習う人が多かったそうです。町の娯楽の殿堂として、大正5年に内子座は完成しました。大正時代末期には一年に7回ほど、人形浄瑠璃が行われていたそうです。そして近年、この内子座を有効活用し 文化の薫る町つくりを目的に「文楽(ぶんらく)公演」が一年に一度 開催されています。文楽・・・って?何なに・・・?実は私も その一人でした。

文楽の演技は浄瑠璃、三味線弾き、人形遣いの三者で成り立っています。浄瑠璃を語る大夫。音楽家ならオペラ歌手のようですし、話芸とみれば落語家にちかい。ナレーションやセリフを曲に乗せ、すべての登場人物を一人で語り分けます。ある大夫は、1時間以上のあいだ 語り続けました。その声の大きさと 精神的パワーに圧倒されました。大夫の語りを記した「床本」を読みました。難しい・・・。三味線は舞台の進行役です。人形は三人の人形遣いによって操られます。中心となる主遣い(おもづかい)、左手の担当の左遣い、両足担当の足遣い。左遣い・足遣いの方は全身 黒い衣に身をつつんでいます。3時間以上の長い演目でした。浄瑠璃は室町時代(1336年~1573年)に発生しました。日本の伝統文化に触れたひと時でした。

そして、内子にあるうどん屋「なみへい」さんを訪ねました。お店の名前はご主人の平治さん 奥さまのなみ子さんの名前から決めたそうです。少しハプニングがありました。「なみへい」さんは山の中腹にあり、道が狭くなり私たちのバスが進めなくなりました。新鮮な空気を楽しみながら、全員歩き出しました。鳥の声がきこえます。この草の名前は・・・?この花の名前は・・・? まるで小学校の遠足ようです。青空のもとで「なみへい」さんが用意して下さった「おうどんとおにぎり」を頂きました。おうどんのお出汁は、煮干しと椎茸と大豆。大豆を入れると風味が甘くなるそうです。片隅のガラス戸の中に、私どもの「讃岐すずらん」の粉が大切に保管されていました。うれしかったです。お客様が安心して使っていただける製品を努めなければ・・・と心新たにしました。

11月のお休みは 3日(文化の日)、8日(第2土曜日)、24日(勤労感謝の日)
   それと日曜日です。

季節の変わりめです。お体を大切になさってください。

木下製粉株式会社会社  平成15年11月7日