2025年11月のお知らせ

仕事を終えた夕暮れどき、かすかに涼しい風が流れてきました。夏の暑さに疲れた心と体を優しく癒してくれます。皆さんも同じように、感じていらっしゃるのではないでしょうか。

10月3日から瀬戸内国際芸術祭「秋会期」が始まりました。香川県高松港の沖に浮かぶ「大島(おおしま)」を訪ねました。大島行のフェリーを待ちながら、私の心は様々な想いに包まれていました。ボランティア活動されている「こえび隊🦐」の米山さんが「大島青松園(おおしませいしょうえん)と大島の歴史」を説明されます。

1907年 ハンセン病患者を療養所に入所させる法律が制定されました。
1909年 大島にハンセン病患者のための「大島青松園」が開設。一時期は約700人の方が生活されていました。全国で13か所ある療養所の一つです。
1943年 治療薬プロミンの効果が確認されましたが、強制隔離は1996年まで続きました。

島内の道の中央に「白い線」が描かれ、スピーカーからはオルゴールの優しい音色で「乙女の祈り」の曲が流れています。弱視の方が歩行される「手がかり」のために考案されました。以前、入所者の方は長屋形式の住宅に住まれ、いくつかの芸術作品はここに展示されています。各部屋は六畳くらいの広さでしょうか。大島は全ての信仰を受け入れ、静寂な空気に包まれている教会はヴォーリスの設計です(ヴォーリスは、多くの文化人たちに愛された東京・お茶の水にある「山の上ホテル」などを設計)。

知人から教わった「アリス・ボール Alice Ball(1892-1916)」という女性の新聞記事を紹介しましょう。20世紀初め、アリスはハワイ大学にて「大風子油(だいふうしゆ)」というオイルから注射剤を作る、「ボール式メソッド」というハンセン病治療法を開発しました。しかし、実験室での事故で、24歳という若さで亡くなり、「アリスの業績」は次第に忘れ去られていきました。1970年代、ハワイ大学の教授が「アリスの研究」を再び調査し、「アリスが大風子油治療法の最初の貢献者である」と結論付けました。2022年ハワイ州知事はアリスの業績を讃えて、「2月28日をアリス・ボールの日」と制定しました。

11月のお休みは、3日(文化の日)・8日(土曜日)・15日(土曜日)・24日(振替休日)・29日(土曜日)そして、日曜日です。

現在、大島では「29名」の入所者の方たちが暮らし、平均年齢89歳だそうです。アリス・ボールと大島の人々の暮らしに想いを馳せながら、島を歩きました。大島の事を少し理解できたと思います。おからだ 大切になさって下さい。

        令和7年11月1日
木下製粉株式会社