2016年5月のお知らせ

m201805今年の「桜の開花」の季節は早かったですね。讃岐では3月下旬、満開の季節を迎えました。四国遍路88カ所、81番札所の白(しろ)峯寺(みねじ)の参道入り口に、瀬戸大橋を見渡すことのできる広場があります。ガス・ボンベと大きな「鍋」を持参して例年のごとく、バーベキュー・釜揚げうどんを頂きながら、桜の季節を楽しみました。

京都府にお住いのMさんから「ほのぼの」とした、そして心が和むお葉書を頂きました。・・友人が子供を連れて遊びに来ました。私のおもてなしは「焼きたてパン」です。ホーム・ベーカリーで焼いた「アツアツ」のパンを内窯から出します。手でちぎるのも大変な熱いパンを、最初はみんな遠慮がちに。次第に大胆にちぎって食べます。子供達にも大好評で、「アッ」という間に、「かまくら」になってしまいました。バターなど何にもつけずに、みんなで「パクパク」。「さめても、おいしいよ」。・・パンのやわらかい中心部分を食べながら、外側の皮の部分が残っている、微笑ましい情景が浮かんできます。

カトリック信者が多いフランスの暦(こよみ)は、一年の日々に聖人・聖女の名前が付けられています。ほんの四半世紀前までは、この暦の中から赤ちゃんの名前が命名されました。それ故、人々は誕生日と、自分と同じ名前の聖人の「日」の両方をお祝いします。キリスト教の世界では、特定の集団や職業の人々を守護してくれる人は「守護(しゅご)聖人(せいじん)」として崇められています。ちなみに「日本国」の守護聖人は、キリスト教を伝えた聖ザビエルです。5月16日はパン職人の守護(しゅご)聖人(せいじん)である「サン・トノレ Saint Honoré」の命日で、前後1週間ほど「パン祭り」が至る所で開催されるそうです。20世紀末、工場の機械で大量生産した形成済みの冷凍生地を店舗に出荷して、焼き上げるパンがたくさん売られていました。

そこで、伝統製法を重んじる「パン屋」さんの後押しで、1993年9月13日、フランス政府は「パンの製法」に関する政令を作りました。パン生地をこねる作業、発酵と成形、焼き上げ、そして販売するまでの過程を同じ場所で行う職人のみ、「パン屋」という看板を掲げることができる政令です。「バゲット」を切ったとき、パンの断片を見て下さい。パンの中にできている空気の穴(気泡(きほう))の大きさが不規則であることは、伝統的製法に従って、「手」で丁寧にこねられた生地で焼かれたパンの証だそうです。
みなさんは、どんなタイプのパンがお好きですか!?日本では、「白くて、柔らかいパンが美味しい」と聞かれることが多いですが、欧米では、「茶色がかった色で、ずっしりと重みのある全粒粉」タイプのパンが好まれます。事務所の片隅で、毎日、ホーム・ベーカリーでパンを焼きます。出来上がりまで4時間。焼きあがるときの「パンのかおり」は、何にも代えがたいご馳走です。小麦粉の「こうばしい」匂いに包まれます(笑い・・)

5月のお休みは、3日・4日・5日・6日・19日(土曜日)そして日曜日です。

日曜日の昼下がり、友人と川沿いを歩いていたとき、「よもぎ」の群生を見つけました。漢方では、食べる、飲む、お風呂に入れるなど、古くから万能薬とされてきました。幼い頃の想い出は、近所の方が石臼に「よもぎ」を入れてつぶし、草餅を作ってくれました。口の中に、「よもぎの香り」がいっぱいに広がりました。友人は、「よもぎ」をティッシュで包んで、「今晩のおかずは、よもぎの天ぷら。おいしいよ」とにっこり。時おり、心地良い「そよ風」が感じられる季節になりました。おからだ、大切になさって下さい。