2012年6月のお知らせ

朝、ウォーキングしていたときのことです。すごく速いスピードで、鳥が飛んでいきます。地面近くから空に向かって、「ぴゅーっ」と急上昇。今年も「つばめ」たちが来ました。同じ場所を、繰り返し飛びます。日本に無事に着いたことを喜んでいるみたいです。

GWのお休みを利用して、工場の一部の改修工事を行いました。日本は小麦需要の80%以上を、カナダ・アメリカ・オーストラリアからの輸入に頼っています。私たちが主に使用するうどん用の小麦ASWを積んだ小麦運搬船は、オーストラリアのクイナナ港を出帆した後、2週間後にはここ坂出港に到着します。到着した小麦は港に隣接した「サイロ」に貯蔵されます。坂出港には、大きく細長い、筒状のサイロがたくさん建っています。

そしてトラックで工場に搬入された小麦は、小麦に混じっている夾雑物を取り除くために「精選機」にかけられます。次に少量のお水を加え、調質タンクというところで一晩寝かされます。こうすることにより小麦の表皮は一層強くなり、また胚乳部分は柔らかくなるので、これは小麦を粉砕し易くするための必須工程です。つぎに小麦を挽砕するために「ロール機」にかけます。小麦を順番に数台のロール機にかけ、少しずつ細かい粉にしていきます。

次に砕いた小麦を、篩機で、「小麦粉」と麦の皮である「ふすま」に分けます。粉砕された小麦粉は、前後左右に揺れている篩機の「網の目」を通過します。工場に来られた方は、製粉工場の振動の大きさに驚かれます。「あの~、地震みたいですね」と・・。そして再篩い、金属探知機、袋詰、計量機を経てでき上がりです。

今回、原料小麦をいれる「木製の調質タンク」をステンレス素材に取り替えました。工事を見ながら、会社の歴史の「ひとページ」を思い出しました。(2009年5月のお知らせに、少し書きましたが)現在の製粉工場は昭和38年(1963年)に建築しました。「丸亀市にある旧兵舎が解体される」という知らせを聞き、「兵舎に使われている木材は、しっかりしとる。この木材を使って、新工場を建てるんや」と先代社長の弁。(一度、使われていた木材なので)階段・柱・手すりの至るところで、「でこぼこ」の跡があります。味わい深い木々です。

調質タンクを支えていた柱が運び出されました。長い時を経て、柱は深い茶色になり、「ぴかぴか」と光っています。「この木々が50年間、私たちの会社を支えてくれていた」と思うと、感謝の気持ちでいっぱいです。社長は兵舎から引き継いだ木々に記しています。「旧丸亀歩兵第12連隊第6中隊 兵舎建築の材木。古木は生きている」。

香川県では家を建てるとき、家屋の骨組みが出来上がった時点で、「棟上げ(上棟)」という儀式を行ないます。神事のあと、骨組み台に立ち、お酒の木札・お菓子・お餅などを、集まって下さった方たちに投げます(節分の豆まきのような雰囲気です)。工場の棟上げが行われたのは真夏の夜でした。8時を過ぎていたでしょうか。すっかり日が暮れた暗闇の中で電球を灯し、工場の新しい未来に気持を膨らませながら、みんなでお餅を投げました。みんなの顔が電球に照らされて、「きらきら」していたことを憶えています。

6月のお休みは 9日(土曜日)、
   それと日曜日です。

5月21日、早朝から心は「そわそわ」、空を見上げながら心配していました。「金環日食」が見られるというのに、曇り空。7時すぎ、雲の間から太陽が現れました。やった~!太陽の大部分が月に隠された瞬間は、不思議な空気につつまれました。曇り空とは異なった深い青色・灰色で、静寂とした空気。日常生活で心配している事が、「ちっぽけなもの」に思えてきました。おからだ 大切になさってください。

木下製粉株式会社  平成24年6月1日