#530 体調不良

体調不良

体調不良

例年水不足に悩む讃岐地方ですが、2016年6月の降水量は史上最高となり、四国の水瓶である早明浦ダムは常時100%の状態が続いています。一方、今年の関東地方はこれまでのところ降水量が十分でないようですので、今後の梅雨前線の活躍をご期待いたします。さてイラスト担当者による新着情報をお届けいたします。
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まだ梅雨明け宣言はありませんが、既に全国各地から猛暑の便りを耳にします。皆さん、体調管理は万全ですか。さて唐突ですが、一人暮らしは、気楽で快適です。そして学生であれば、その快適度は更にアップします。何をしてもいいし、いつ起きて寝ても誰にも文句言われないし、狭いながらも欲しいものは直ぐに手が届きます。他人に憚ることがないので、やりたい放題です。しかし一つだけ困ったことが起こりました。それは体調不良になったときに、自分では何もできないことです。

実は一週間ほど前に突如40度を超える発熱に見舞われました。身体の節々が痛くなり、2日間我慢しましたが一向に良くなる気配がありません。そこでとうとう我慢できすにタクシーを呼び、病院に連れて行ってもらいました。病院というのは素晴らしいところで、解熱剤と点滴を打ってもらい2時間放って置かれるだけで、熱があっという間に下がりました。今まで病院には何度もお世話になりましたが、これほどありがたいと感謝したのは初めてです。

熱が下がると食欲が湧きますが、しばらく何も口にしていなかったせいか、腹痛と下痢が治まりません。「パンのみのために生きているような私」にとっては、「食」は正に「生きがい」そのものです。熱が下がり、頭ははっきり意識明瞭、よって「ラーメン食べたい、お肉食べたい」と食欲は旺盛であるにも拘らず、空腹を感じつつ、それを解消できないもどかしさは、辛い体験でした。

f530_2単なる風邪や鼻水程度ならまだ我慢できますが、起き上がることができなくなる高熱やインフルエンザにかかると、快適な一人暮らしは、一転悲惨な現場に変わります。まず買い出しに行けません。今回、発熱し、動けなくなったとき、アパートには、見事に何の飲食物のストックもなく、唯一残されていたのは、実家から送られてきた大量の乾麺(うどん)だけでした。乾麺は好きですが、流石に調理する気力も元気もなく、たかがこれしきのことで不遇であると感じる自分を、実に情けなく恥じ入りました。

とはいえ自分一人では対処できないとなると、誰かに頼るしか方法がありません。では誰を呼ぶか?ちょっと考え末、同郷のリカちゃんの携帯を鳴らしました。リカちゃんは小学校から高校までずっと一緒で、気心しれた仲です。東京でもちょくちょく会っているので、こんな時でも気兼ねなく声がかけられるのです。大学ではいくら仲良くしている友だちでも、こんな状況で来てもらうのは流石に気が引けます。全然気遣うことなく、気軽にお願いできる友達の存在は誠に貴重で、今回は本当にその有り難さが身に染みました。

果たしてリカちゃんは猛暑の中、スーパーの袋を両手に抱えてやってきました。普段は何ということはない普通のリカちゃんですが、この時ばかりは眩い後光がさしていた、ように思えました。部屋に入ってきたリカちゃんは開口一番、「ここはいつ来ても綺麗やね、私の部屋は散らかし放題なので、逆の立場だったら、きっとびっくりするわ」っと。その言葉を聞いて、改めて私は掃除大好きな、ほぼ潔癖症である母のDNAを受け継いでいることを実感しました。それはどちらでも良い事ですが、リカちゃんのお陰で九死に一生を得ました。

今回の体調不良は全く想定外の出来事でしたが、友人の有り難さが再認識できたことが唯一の収穫でしょうか。加えて、意図せず3キロ減量できたことも、ラッキーでしたが、数日で元に戻ってしまい、これは全くのぬか喜びに終わりました。いずれにしても皆さんもくれぐれも季節の変わり目の体調管理にはお気をつけください。